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2016年9月4日日曜日

♪ハートエイクス・バイ・ザ・ナンバー

同居はしていない父親のお世話(介護)に通う道すがら、モチベーション維持に即してカーオーディオでヘビーローテーションする楽曲の一つである「ハートエイクス・バイ・ザ・ナンバー」。まさに
カントリー・ゴールド、わが国の昭和の歌謡曲に相応する。歌としては切ない話なんだろうけど、どうしてか、メロディーラインやパフォーマンスは陽気に傾いて、その妙なバランスのためか、自らの境遇に照らして応援歌と感じて、口ずさんでしまう。
マルチナ・マクブライドの『タイムレス』(2005)にはレイ・プライスをオリジナルとしているとあったが、カントリー・シーンのシンガー・ソング・ライターで大御所といえるハーラン・ハワードの代表作。マクブライドはドワイト・ヨーカムを、『ザ・リスト』(2009)のロザンヌ・キャッシュはエルヴィス・コステロをフューチャーした録音は、男女掛け合いのジョイント・パフォーマンスが楽しめる。ヨーカムのコーラスはセクシーに、コステロのギターはベタなメロディーラインであるからこそのカッコよい味わいが。

2016年7月29日金曜日

どこにも行けない!?~介護生活なのか?

もう、1年は経過していなものの、同居はしていない80代半ばを超した父親の変調に対応を追われ、これが「先の見えない介護生活なのか」。傍ら、モチベーション維持のためカントリー・ミュージック系のアルバムのセレクションしたカー・オーディオで自らを鼓舞することに。
ニッティ・グリッティ・ダート・バンド(Nitty Gritty Dirt Band)の『永遠の絆(ウィル・ザ・サークル・ビー・アンブロークン)』のボリュームⅡ(1989年)収載、ジョン・ハイアット(John Hiatt)作で自身とロザンヌ・キャッシュ(Rosanne Cash)のジョイントで「ワン・ステップ・オーバー・ザ・ライン」、ボブ・ディラン(Bob Dylan)作でロジャー・マッギン(Roger McGuinn)がリードの「ユー・エイント・ゴーイング・ノーホエア」の下りが応援歌に、ヘビー・ローテーションし続ける。

2016年3月28日月曜日

♪ホエン・ゼイ・リング・ゾーズ・ゴールデン・ベルズ

サークル・ビー・アンブロークン気分を経て、最近のヘビー・ローテーションは、エミルウ・ハリス(Emmylou Harris)のアルバム『エンジェル・バンド』(1987年)から(♪エンジェル・バンド、2013/05/2)エンディングのトラッド、「ホエン・ゼイ・リング・ゾーズ・ゴールデン・ベルズ」。もっとものアルバム自体を繰り返し流しているのだが。
「ホエン・ゼイ・リング・ゾーズ・ゴールデン・ベルズ」、耳には馴染んでしまったのだが、マイ・ストックなど他の録音は思い当たらなかった。ロレッタ・リン(Loretta Lynn)も歌っている?このアルバムはエミルウパティ・ラブレス(Patty Loveles)の夫のエモリー・ゴールディ・ジュニア(Emory Gordy, Jr.)の共同プロデュースで、何故かこの楽曲のみエモリー&パティ夫妻のアレンジとなっている。パティの参加はないけどね。

2016年1月27日水曜日

『アンブロークン・サークル』

ちょうど、1週間前に90歳を数えた母が亡くなって、ようよう一人の時間が取れるようになったころから、邦盤仕様でコレクションしていたトリビュート盤の『アンブロークン・サークル カーター・ファミリーの遺産』(2004年)をローテーションする。16のトラック、名演ぞろい。母の葬送はジューン・カーター・キャッシュ(June Carter Cash)の「永遠の絆(Will the Circle Be Unbroken)」にて。「母の教え(Hold Fast To The Right)」っていうのもあり、ことらはジューン with ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)。
あるいは、ホワイツ(The Whites) with リッキー・スキャッグス(Ricky Scaggs)のは「天国での再会(Will My Mother Know Me There ?)」だしね。A.P.&サラ(Sara)のほうのカーター夫妻の子息であるジャネット(Janette)&ジョー・カーター(Joe Carter)は「幼な子モーゼ(Little Moses)」、エミルウ・ハリス(Emmylou Harris) with ピーソール・シスターズ(The Peasall Sisters)の「湖上のイエス(On The Sea Of Galilee)」、シェリル・クロウ(Sheryl Crow)の「天国の暮らし(No Depression)」とかね、ヒムというのかカントリー・ゴスペルに満ちた構成が慰めとしてもフィットしてしまった。
主としてカントリー・フォーク畑の豊かなで確かなパフォーマンスを提供してくれるた参加ミュージシャンの面々にも改めて関心と感心。


2015年10月19日月曜日

〈メリダとおそろしの森〉のシンガーは?

ピクサー製作、ディズニー配給の「メリダとおそろしの森」(マーク・アンドリュース&ブレンダ・チャップマン監督、2012)をBS放映の録画ストックから過日の鑑賞。ピクサー作品にしては、わが国では、さして話題にならなかった部類か。中世欧州の童話風ストーリー。ルーツ・ミュージック続きで来ていたので、オープニング・テーマの「タッチ・ザ・スカイ」に反応してしまう。よい感じ(この部分もね、本邦では全く関心がないようで)。エンドロールを見て調べてみるに歌唱は、ゲール語コミュニティで育ったという若手スコティッシュ・フォーク・シンガーのジュリー・ファリウス。もう1曲「イントゥ・ジ・オープン・エア」とうのもあり。この2曲含め、サウンドトラックは、やはりスコットランド出身のパトリック・ドイルの作曲ということらしい。
ジュリー・ファウリス、記憶にとどめておくためのメモ。

2015年6月27日土曜日

♪朝日のあたる家

今週放映分のBS‐TBSの番組「SONG TO SOUL One piece of  the eternity―永遠の一曲」で、「朝日のあたる家」(ハウス・オブ・ライジング・サン)を拝見。過去のメモをさかのぼって、♪連れてってよ(2014/09/13)♪リング・オブ・ファイアーつながりてアニマルズへ(2014/08/20)「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」(2014/06/19)といった、流れできていて、ジ・アニマル(The Animals)のヒット録音を軸に、先に録音していたボブ・ディラン、彼らに影響を与えたであろう、ジョシュ・ホワイト(Josh White)とデイブ・ヴァン・ロンク(Dave van Ronk)とのバージョンから読解を進めた論考は、わが意にフィットしていた。しかしながら、ジョシュ・ホワイトデイブ・ヴァン・ロンクとの関連性について言及していないのは説明不足が否めない。
別途、アニマルズのギタリスト、ヒルトン・バレンタイン(Hilton Valentine)のインタビュー証言で、ベースのチャス・チャンドラー(Chas Chandler)が持っていたデイランのファーストアルバムをメンバーで聴いて、チャック・ベリーの前座ライブ用に、「朝日のあたる家」をフィーチャーしたという件は、初耳だな。記憶にあるエリック・バードン(Eric Burdon)の発言とは違っているように思うが。その時点でアルバムを所有していたこと自体が驚きでもあるし。どうなんだ。とりあえず、メモる。
米国での「ライジング・サン・ブルース」としての歴史も検証、レッドベリー(Leadbelly)録音が2通りあることも解説してほしかった。さらなるオリジンはブリテンに戻って、17世紀の「マティ・グローブス」が元歌という説の紹介は勉強になった。。共通するコンセプトは教訓語りということか。「マッティ・グローブス」の録音も聴いてみよう。

◆追記◆
「ライジング・サン・ブルース」の最も古い録音の一つとして、祖父から教わったというクラレンス・アシュレイ(Clarence Ashley)の1933年のものを紹介していた。そういえば、クラレンス・アシュレイはリバイバル期の1960年代初頭、ドク・ワトソン(Doc Watoson)とのジョイントなどでも歌っていな、と思い出して、ライブ音源のコンピレーションCDを取り出してみるが、廉価盤なるゆえか未収録となっていた。残念。アシュレイのパフォーマンスもよいね。

2015年5月31日日曜日

♪オールド・ディキシー・ダウン

「トランプ・オン・ザ・ストリート」ことしの春もローズ・マドックスで、2015/04/30)をジョーン・バエズ(Joan Baez)が歌っていることを知り、『ザ・カントリー・ミュージック・アルバム』(1979年)のCDを入手、このカントリー・アンソロジーとしてのコンピレーション・アルバム、これまた妙にスムーズにフィットしてしまった。1971年のヒット曲「オールド・デキシー・ダウン」で始まるのだけど、そういえばこの曲、ザ・バンド(The Band)っていうかロビー・ロバートソン(Robbie Robertson)の曲であったことを、これまであんまし意識していなかったことに気づいた。南北戦争の終結を受けての、南部男の一人称語りで確かにカントリー・テイスト、意識してみると目からウロコが落ちたがごとく、あまりにもザ・バンドらしい秀曲である。手元のライブ盤を引っ張り出し繰り返し聴き直す。
ところで、バエズ『ザ・カントリー・ミュージック・アルバム』収載の20曲には①ソング・オブ・ザ・サウス②ラブ・ソングズ③ルーツ・アンド・プロスペクツ④オールド・タイミー・ソングズ―として4分類の小タイトルが付されいる。私見ではコアなカントリー・ソングだと思っている「黒いヴェールの女」とか「アイ・スティル・ミス・サムワン」は「ラブ・ソングズ」に入っていて、「トランプ・オン・ザ・ストリート」は「ルーツ・アンド・プロスペクツ」の、「オールド・デキシー・ダウン」は「ソング・オブ・ザ・サウス」の分類、「オールド・タイミー・ソングズ」にかけての後半の多くはカーター・ファミリーのリスペクト集。
「ルーツ・アンド・プロスペクツ」、ルーツの対照概念と思われるプロスペクツ、分類された楽曲に関しての意味合いがよくのみ込めていないのだが。グラム・パーソンズ(Gram Persons)の手にかかった「ヒッコリー・ウインド」とかが入っているので、そのようなくくりなのか。

2015年4月30日木曜日

ことしの春もローズ・マドックスで、♪トランプ・オン・ザ・ストリート

今春は桜の開花も早い。しばしの沈思を経て、マドックス・ブラザーズ&ローズ(Maddox Brothers & Rose)の廉価盤CD4枚組みから、『コレクション・オブ・スタンダード・セクレッド・ソングス』(1959
年)というゴスペル・アルバムの部分が、少し上向きにセットしたという現在の心持ちにフィットする。「アイル・フライ・アウェイ」とかね。件の「ファーザー・アロング」も収載されている訳だが、アルバム冒頭の「トランプ・オン・ザ・ストリート」の旋律は、「ファーザー・アロング」に重なっていることが気になる。「ファーザー・アロング」はカントリー・ゴスペルとしてスタンダード化しているが、「トランプ・オン・ザ・ストリート」は別の演奏を聞いたことないなぁーと思いを巡らす。さて、どっちがどうなのやらと。

◆追記◆
その後ちょっと調べてみて、「トランプ・オン・ザ・ストリート」、1940年代に活躍したアパラチア系のカントリー・シンガー、モリー・オデイ(Molly O'Day)の持ち歌らしいということは分かった。ベア・ファミリー・レコーズのコンピレーションCD『カントリー・ボーイズ・ドリーム』(2008年)に、モリー・オデイ&ザ・カンバーランド・マウンテン・フォークスによる1947年リリース版が収録されていた。流行歌としては、こちらがオリジナルといっていいのかな。楽曲クレジットは「Cole」のみとなっていて、これもさらにリサーチしてみると、グラディ&ヘイゼル・コール夫妻の共作だという。「ファーザー・アロング」との関連性までは及ばなかったが、ハンク・ウイリアムス(Hank Williams)も歌っているらしいことが分かった(手元のハンク・ディスクには収録なし)。
ちなみに、このコンピ盤には、やはりローズが十八番としているカントリー・ゴスペルの一つ「ダスト・オン・ザ・バイブル」も収録されていた。こちらも1947年でベイレス・ブラザーズ(Bailes Brothers)のパフォーマンス、クレジットを見ると、どうやらライター・チームによるものらしい。(2015/05/19)

◆過去のメモ◆
この春はローズ・マドックスで、(2014/03/08)

2015年3月24日火曜日

イワン・マッコール&ペギー・シーガー

スコットランド民謡、「マッサン」の流れできて(♪ウォーター・イズ・ワイド、2015/02/14)、イワン・マッコール(Ewan MacColl)の4枚組み廉価盤CD集にたどり着く。何故かボリューム2から聴き始め、シック・クラシック・アルバムと題された『コーラス・フロム・ザ・ガロウズ』(1960年)、『ポピュラー・スコッチ・ソングス』(1960年)、『ソングス・ツー・レベリオンズ、ジャコバイト・ウォーズ1715&1745』(1960年)、『ツー・ウェイ・トリップ』(1961年)、『ブロードサイド・バラッズ第1集&第2集』(1962年)の5件6枚のアルバム群、CDパッケージ等に表記はないけど、これらは何と、トラディショナル・フォーク界のゴールデン・カップル、妻のペギー・シーガー(Peggy Seeger)とのコラボレーションものだったので、思わぬ感激。とりわけ『ツー・ウェイ・トリップ』は、ペギーが前面に出ているし。
バラッド歌唱の神髄というか、あくまでも歌、ボーカルが中心の録音になっていて、これにもまたフィットしてしまう。確かに、アメリカン・フォークの原メロディーと思われる曲は多々あって、また、聴き込んで探り当てていくという課題が増える。「ザ・ウォーター・イズ・ワイド」の源流とされる「ウォーリー、ウォーリー(ウェイル、ウェイル)は素直に元歌として認識できないバージョンだったなぁ。旋律も違っていてねぇ。
その後の探究でチャイルド・バラッドの204番「ジェイミー・ダグラス」「ウォーター・イズ・ワイド」の源流に位置するバリアントであるなど、相当数の派生曲があることを知る。これらの録音も探してみることに。

◆追記◆
イワン・マッコール(Ewan MacColl)の4枚組み廉価盤CD集の第1集のほうには、確かにペギー・シーガー(Peggy Seeger)のクレジットが記載されていた。『ソングス・オブ・ロバート・バーンズ』(1959年)、『クラシック・スコッツ・バラッズ』(1959年)、『ストリーツ・オブ・ソング』(1959年)、『ブロー、ボーイズ、ブロー』(1960年)、『ニュー・ブリテン・ガゼット第1集&第2集』(1960年、1962年)の6枚のクラシックアルバム集。とりわけ、『ニュー・ブリテン・ガゼット第1集&第2集では『ツー・ウェイ・トリップ』同様にペギーの歌声とプレイに引き付けられる。『ニュー・ブリテン・ガゼット第1集収載の「ファイアマンズ・ノット・フォー・ミー」という曲、「ワイルドウッド・フラワー」の源流かと比定される旋律であり。
『ストリーツ・オブ・ソング』ドミニク・ビーハン(Dominic Behan)『ブロー、ボーイズ、ブロー』アルバート・ランカスター・ロイド(Albert Lancaster Lloyd)とのコラボレーション、これまた感激の遭遇である。

2015年3月15日日曜日

「幕が上がる」から「くちびるに歌を」へ、

これは、幕が上がるところでエンディングだなとは、ドラマに着いていく過程で予測された悪くない予定調和。「ももいろクローバーZ」がなんたるかとか、とりわけ興味はなく、平田オリザの原作、舞台系への目配りがある本広克行監督であるということ、ここ数年、NHKのEテレで「青春舞台」はフォローしていたのを主因に、少々の期待感とともに「幕が上がる」の上映館へと足を運ぶ。
ボーイ・ミーツ・ガールのプロットではないものの、思春期の揺れ動く心を持つ高校生たちが演劇に打ち込む、いわば定番の青春ストーリー。富士山を臨む富士宮市なのか、地方都市の高校生活と空気感、彼女たちの夢・将来は見えてないけど、とにかく伸びしろとエネルギーがある、成長する年ごろである。振り返って自分にも、そんなライフステージがあったのではとのノスタルジーと、今現在、あんな瞬発力は残っていないなぁと、少々の悔しさ。
そうだよね、演劇を志して東京に集う人材群は確かにエネルギッシュ、まあ、音楽や映画なんかも同系でしょうが、ライブの身体勝負、必ずしもビッグマネーを目指していないであろう、演劇界の独特の魅力に、いまだに憧憬を抱いていることを自覚し、登場の女子高校生目線に重ねてしまう。

「幕が上がる」の評価メモ
【自己満足度】=★★★★☆
【お勧め度】=★★★☆☆

◆追記◆
若さに希望、成長への共感という意味では、「くちびるに歌を」(三木孝浩監督)も同系列か。自分ではコントロールできない境遇に悩み「生きていくことの意味」を反芻するテーマとプロットはプログラム・ピクチャーの平均水準、演出や出来上がりに特段の冴えはないものの、合唱部・中学生たちのキャスティングにこそ、この映画の魅力はある。単純にこの年代のかわいさというのと、やっぱり伸びしろだね。もちろん、この企画のベーシックなモーチフになっているアンジェラ・アキの「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」という楽曲は活かされいたし。
余談だけど、長崎・五島列島というと、私の世代ではユーミンが荒井由実時代の「瞳を閉じて」を思い出してしまう。確かに海はきれい。(2015/03/20)

「くちびるに歌を」の評価メモ
【自己満足度】=★★★☆☆
【お勧め度】=★★★☆☆

2015年2月14日土曜日

♪ウォーター・イズ・ワイド

NHK連続レレビ小説の「花子とアン」から「マッサン」でもと、劇中で何だか同じような楽曲が使われているなぁはとは思っていたけど、最近まで意識をフォーカスしていなかった。そう、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド」という、ブリテン系のフォークであることを再認識する。この間のバラッド探訪で聴いていたコンピレーションCDにはジャック・ハラム(Jack Hallam)のパフォーマンスが収録されていた。その他はあったかなぁと、記憶を探ってはみるが、、、私だけでなく、確かに本邦ではこれまで、さして着目度の高くない曲であったかも。でも、そうか、ボブ・ディラン(Bob Dylan)やピート・シーガー(Pete Seegler)も歌っていたんだ。認識を変えねばである。
ウェブ上には、この曲の成り立ちについて色々と論考があり示唆を得て参考にはなる。スコットランド・ルーツという大筋はあるようだが、北米育ちなのか、またしても、歌詞や旋律の変遷があるような。しばし、いくつかバージョンにあたって整理してみたいものである。

◆追記◆
その後、やっぱりこれもディラン歌唱が気になって、ブートレッグ・シリーズVol.5『ザ・ローリング・サンダー・レヴュー』(2002年)も調達してしまう。商業的なアルバムという範疇からは異彩を放つ楽曲ではあるが、ローリング・サンダーのプロジェクト・コンセプトからすると相応しい楽曲であることがよく分かるパフォーマンスだった。ジョーン・バエズ(Joan Baez)とのジョイントでもあるし。バエズの持ち歌という流れで取り上げたのかな。
『ザ・ローリング・サンダー・レヴュー』のライブも聴き入るにつけ、アプローチが異なるパフォーマンスに満ちている。アルバム・タイトルには「ライブ 1975」との表記も。個人史としては1978年のディラン初来日記念、コンピレーション・アルバムの3枚組LP『傑作』が最も馴染んだディラン体験だけにサウンドとしては違和感なく。
名曲ぞろい。しばし、ヘビー・ローテンションしてライナーノーツに向かうことに。

2015年2月6日金曜日

「ジミー、野を駆ける伝説」

当たりがないな、ちょっと遠ざかり気味だった映画鑑賞。やっぱり、ケン・ローチでしょ。アイルランドものは、いくつかあったが、この「ジミー、野を駆ける伝説」。1930年代、ジミー・グラルトンが働くことと暮らしの享受を語るスピーチは、ケン・ローチのメッセージそのものなのだろう。確かにその通りなだが、現実を顧みて、おそらくは素直に受け取れない思考の病弊が現代のわが邦に宿っているのではとの懸念もよぎる。アイルランドの歴史的・社会的背景の理解に必要な知識をそれほど多くは持ち合わせていないものの、一つのエスタブリッシュメント、コンサバティブの体現としてもカトリック教区神父の心境と態度の変容の兆しに、何かを感じる。
それはそれとして、象徴たるテーマ曲、これが「シューラルー」の正調??!この部分でも反芻して染みてしまう。関連楽曲、もうちょと探索、整理してみたい。

「ジミー、野を駆ける伝説」の評価メモ
【自己満足度】=★★★★☆
【お勧め度】=★★★★☆

◆過去のメモ◆
♪ジョニーは戦場に行った、なの?(2014/03/02)

2014年11月26日水曜日

「♪貧者ラザロ」で、たどってみる

ボブ・ディラン(Bob Dylan)&ザ・バンド(The Band)の『ザ・ベースメント・テープス』コンプリート版の最初のCD1、20番目のトラックは2000年の映画「オー・ブラザー!」(ジョエル・コーエン監督)で、多分に本邦でも認識が進んだ楽曲の一つである「ポ・ラザルス」。映画ではアラン・ローマックス(Alan Lomax)が1959年にミシシッピ州の刑務所で採録した受刑者らのワークソング調のバラッド歌唱が援用されたが、ディランはギター伴奏で歌っている。フォーク・シンガー、ディランとしてのレパートリーであったことは今回初めて知る。
「オー・ブラザー!」の音楽プロデュサーは、1970年代半ばのディランのプロジェクト・ツアー「ローリング・サンダー・レヴュー」に参加していたT=ボーン・バーネット(T-Bone Burnett)、継承と言える関連性はあるか気になるところ。
もっとも、ローマックスが最初にこのトラディショナル楽曲の系統をコレクションしたのは1930年代後期らしく各種のフォークソング・アンソロジー本にも収載されていたようで、ディランがどうした経緯で持ち歌としたかとの興味も。
余談だが、「ポ・ラザルス」をはじめとした巷のフォークソングをローマックス父子らがこれほどまでに収集し、文化財として継承できているのは、彼らの才覚とともに米国の議会図書館や公共事業促進局(WPA)が後押しした政策的な成果の色合いが濃いようにも思われる。1929年に始まった大恐慌に際して、フランクリン・ルーズベルト大統領の下、ジョン・メイナード・ケインズ流の経済思想を投影したとされるニュー・ディール政策の中に位置付いた「公共事業」の一部を成している。わが国では公共事業というと、道路や鉄道などハード構築のインフラ整備にとらわれた発想からいまだ抜け出せずにいる。フォークソングやブルースの収集・保存といった米国の例にならった日本であったなら、、、と考えずにはいられない。米国の事例についてもっと詳しく知りたいとも思うのだが、日本人研究者による解明はどの程度進んでいるのであろうか。

◆追記◆
「ポ・ラザルス」ディラン・パフォーマンス、1961年7月のニューヨーク・リバーサイド教会でのフーテナニー・イベントのラジオ音源に巡り会った。他の演目は「ハンサム・モーリー」、「オーミー・ワイズ」とコアなトラッド。

◆過去のメモ◆
「オー・ブラザー!」を聴き直す(2013/05/10)
T=ボーン・バーネットつながり(2014/07/08)

2014年11月21日金曜日

ベースメント・テープスの源流

ボブ・ディラン(Bob Dylan)&ザ・バンド(The Band)の『ザ・ベースメント・テープス』コンプリート版、CD6枚に収まった138トラックのうち4割強が自作曲ではないトラディショナルの解釈パフォーマンスや既存ポピュラー曲との戯れ。ディランらがインスパイアを受けたこうした源流楽曲のオリジナル・パフォーマンスを集めた英国版のコンピレーションCDを聴いていたことと、特集本「THE DIG Special Edition」の曲目解説を参考にし、これらの楽曲にフォーカスしてローテションを繰り返してみる。
コンピレーションCDは27曲収載でコンプリート版の1枚目および2枚目で取り上げられたものが多く、この前、言及した6枚目11番目のトラック「ゴーイン・ダウン・ザ・ロード・フィーリン・バッド」エリザベス・コットン(Elizabeth Cotten)の演奏で紹介されていて勉強になった。このコンピ盤、ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)、ジョン・リー・フッカー(John Lee Hooker)、ハンク・ウィリアムス(Hank Williams)、ハンク・スノー(Hank Snow)の持ち歌系統がそれぞれ複数ありものの、どういう訳か、2枚目に3曲取り上げているイアン&シルヴィア(Ian & Sylvia)のはどれも採用されてなかった。
そう、5枚目の16番トラック「ワン・カインド・フェイバー」は、例のハリー・スミス(Harry Smith)氏編纂『アンソロジー・オブ・アメリカン・フォーク・ミュージック』(1952年)のアンソロジー効果でファースト・アルバム『ボブ・ディラン』(1962年)でも取り上げたブラインド・レモン・ジェファーソン(Blind Lemon Jefferson)の「スィー・ザット・マイ・グレイヴ・イズ・ケプト・クリーン」に同じ曲だが、アレンジによる果敢な変貌。等々、トラディショナル系はもっと聴き込んでいかないと。

2014年11月11日火曜日

ブラインド・ボーイ・グラント

「ブラインド・ボーイ・グラント」は、1962年のファースト・アルバム制作に前後してボブ・ディラン(Bob Dylan)が使用していたブラインド・ネームで、雑誌への作品発表や録音がいくつかあるのだそう。ブートレッグ・シリーズ第11集に前後して入手したHumdingerシリーズのコンピレーションCD2枚組みで、デック・ファリーナ(Dick Farina)&エリック・フォン・シュミット(Eric von Schmidt)へのジョイント参加したパフォーマンスを初めて聴くことができて感激した。しかも、「グローリー、グローリー(レイ・マイ・バーデン・ダウン)」があり、別にディラン自身の「ウィル・ザ・サークル・ビー・アンブロークン」も収録されていて。これは、ブートレッグ・シリーズ第11集のボーナス・ディスクと聴き比べができるしね。
「ブラインド・ボーイ・グラント」クレジットではないものでは、キャロリン・ヘスター(Carolyn Hester)、ビッグ・ジョー・ウィリアムス(Big Joe Williams)やハリー・ベラフォンテ(Harry Belafonte)の録音への,、それなりに目立ったハーモニカ・サポート等も数曲収載。キャロリン・ヘスターの歌唱ってヘタうまだったんだね。「アイル・フライ・アウェイ」、結構好きかも。
シカゴでスタッズ・ターケルのラジオ番組とか、カナダ・モントリオールのフィンジャム・クラブとか、ここのところ聴き馴染んでカブる音源もあるけど、ジェシー・フラー(Jesse Fuller)の「サンフランシスコ・ベイ・ブルース」、マーダー・バラッドの代表格「バーバラ・アレン」とか、「プリティ・ポーリー」なんかも初めての出会いで嬉しい限り。

2014年11月9日日曜日

アンソロジーとしての、ザ・ベースメント・テープス

ブートレッグ・シリーズ第11集、待ちにまった、まさにブートレッグの中のブートレッグといえるボブ・ディラン(Bob Dylan)&ザ・バンド(The Band)の『ザ・ベースメント・テープス』、米国からの輸入盤でコンプリート版CD6枚を聴き通してしまった。若きディランに即したルーツ・ミュージックを考察していただけに、今年はタイムリーな出来事が重なり極みに。
1966年のオートバイ事故、ウッドストック、ビッグ・ピンク、地下室などのキーワードとともに、タイトルを含めて伝説化している海賊版『グレート・ホワイト・ワンダー』のシェイプ・アップした公認バージョンとして、あるいは1975年の正式なリリースで明らかにした一部音源によるアルバム『地下室』のアウト・テイク集として、とにかく成果が求められたというソング・ライターとしてのデモンストレーション仕事のバリエーションを慮って、等々、聴くアプローチもそれぞれでしょう。上記の理由により私の場合は、アンソロジーとしてが第一かなぁー。その時代、その境遇にして営まれたパフォーマンスの意味も考えつつ。
とりあえず、1曲のみメモ。ディスク自体がボーナスという6枚目、11番目のトラックが「ゴーイン・ダウン・ザ・ロード・フィーリン・バッド」。これは、ウディ・ガスリー(Woody Guthrie)が『ダスト・ボウル・バラッズ』(1940年)収載の「ブローイング・ダウン・ディス・ロード」でメロディーを転用した「ロンサム・ロード」が元歌なんだろうね。高田渡さんの歌にも同じ旋律があったよね?!ディランもまた『ラブ・アンド・セフト』(2001年)では別のタイトル・歌詞で録音しているとか?!!またしても変遷に興味。
とにかくに、この音源と豪奢なブックレット・写真集の読解は着手したばかり。確かに一生もの。国内盤のほうがハードル低かったかな。関連の出版物も期待しましょう。

◆追記◆
3枚目のディスクに2つのテイクで「アイ・シャル・ビー・リリースト」が。療養・隠遁期のディランにしてこその名演で、本当にすばらしい。マイ・コレクションでは『グレーテスト・ヒット第2集』(1971年)であったか、初めて出会った十代から印象深く愛着のある楽曲。ルーツ巡りでリフレクションしてきて、アメリカ音楽の揺籃で育まれたスピリチュアル、カントリー・ゴスペルの延長上にある楽曲であることがよく分かってきた。公式リリースはザ・バンド『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』(1968年)だったね。ブートレッグ・シリーズ第2集収載分との対比はという課題もあり。
『地下室』収載の「ユー・エイント・ゴーイン・ノーホエア(どこにも行けない)」も2テイクあり。同じく2テイクある「ミリオン・ダラー・バッシュ(百万ドルさわぎ)」はサビ旋律からして兄弟曲、この辺りはカントリー・テイストで好きなんだなぁー。
と、そこへ、特集本の第1弾「THE DIG Special Edition」が届く。日本人アプローチから読解の手立てに。楽しみは続く。(2014/11/18)
さらに、
ベースメント・テープスの源流(2014/11/21)
「貧者ラザロ」で、たどってみる(2014/11/26)

2014年11月3日月曜日

♪ジョン・ヘンリー

トレイン・ソングの「ケイシー・ジョーンズ」がらみで、鉄道関連で働き死に招かれる事態に逢着した市井のヒーローを歌い上げるバラッド、かつ、アメリカン・バラッドとしては最もよく知られ、ハンマー・ソングとも言われるコンセプトを有する「ジョンー・ヘンリー」。これが何と『アンソロジー・オブ・アメリカン・フォーク・ミュージック』(ハリー・スミス氏編纂、1952年)には、二つのバリアントが収録されていた。トラック・ナンバー18番、ウィリアムソン・ブラザーズ・アンド・カリィ(The Williamson Brothers and Curry)の「ゴナ・ダイ・ウィズ・マイ・ハンマー・イン・マイ・ハンド」と、同80番、ミシシッピ・ジョン・ハート(Mississippi John Hurt)の「スパイク・ドライバー・ブルース」である。前者のタイトル・クレジットでのパフォーマンスは初めて出会ったかな。
「ジョン・ヘンリー」に関しては、東理夫氏が『アメリカは歌う。歌に秘められた、アメリカの謎』で、現地調査を踏まえたレジェンドの検証を(マーダー・バラッドに秘められた謎、2011/12/04)、ウェルズ恵子氏は『フォークソングのアメリカ ゆで玉子を産むニワトリ』で、いくつかのバリアントについて歌詞に織り込まれた心象を分析していた。これらにより、アンソロジー収載の2曲の意図も分かるよう気もするが、、、よくよく、読み返してみねばね。あと、アルバムのブックレットにはレスリー・リドル(Leslie Riddle)の録音が存在することも示されていた。レスリー・リドルのパフォーマンス、聴いてみたいものである(ルーツをたどり、レスリー・リドルへ、2013/02/04)。

2014年10月29日水曜日

♪ケイシー・ジョーンズ

ハリー・スミス(Harry Smith)氏編纂の『アンソロジー・オブ・アメリカン・フォーク・ミュージック』(1952年)に収載されたバラッドでトラック・ナンバー24は、ファリー・ルイス(Furry Lewis)の「Kassie Jones,Parts 1 & 2」。そうか、別のブルース・コンピレーションCDでルイス「Cacey Jones Rambli' Mind)」っていうのがあった。身を挺して乗客乗員らへの被害を軽減した行動が、わが国の塩狩峠の鉄道事故(1909年)を想起させる、1900年4月30日、米ミシシッピ州内で起きた事故。殉職してヒーローと語り継がれるイリノイ・セントラル鉄道の機関士がケイシー・ジョーンズなのだそう。ジョン・ヘンリーに比する鉄道系悲劇のヒーロー・バラッドなんだね。
調べてみると、オリジナルの歌詞の一部はケイシー・ジョーンズの知人が書いたものらしい。まさにブロードサイドのバラッド文化。トレイン・ソングを集めた別なコンピCD集なども聞き直してみて、確かに、ケイシー・ジョーンズ、さまざまに歌われているね。ここでも、さらにそうか。「フライト・トレイン・ブギ」「ケイシー・ジョーンズ」のバリアントっていことか。

2014年10月27日月曜日

♪ソリタリー・マン&♪ハート、アメリカン・シリーズから

たまたま、TV放映から録画して観た映画でジョニー・キャッシュ歌唱に続けて遭遇したので忘備メモ。ともにアメリカン・シリーズのアルバム収載からか。『アメリカンⅢ』(2000年)でアルバム・タイトルかつ楽曲名が映画タイトルに等しい「ソリタリー・マン」(ブライアン・コッペルマン&デヴィッド・レヴィーン共同監督、2009)ではオープニング・テーマとして。こちらはスティーヴン・ソダーバーグが製作にかんでいるのに対し、リック・ベンソン系のプロデュース「コロンビアーナ」(オリヴィエ・メガトン監督、2011)には、『アメリカンⅣ』(2002年)の「ハート」がエンディング・テーマとして印象的に使われていた。
前者は老いらくマイケル・ダグラスが当たり役の放蕩ダメ男もの、後者はいかにもベンソンが描いたようなセクシー女キラーの復讐譚と好みにもよるだろるが、映画の内容としては、まあ、どうでもよいような、、、受け止め方。キャッシュのアメリカン・シリーズといえば現代アンソロジーといったコンセプトなのかな。「ソリタリー・マン」のオリジナルは作者でもあるニール・ダイヤモンドが1966年に録音、「ハート」の方はインダストリアル系ロック・バンド、ナイン・インチ・ネイルズの1994年だそうである。

2014年10月9日木曜日

「ジャージー・ボーイズ」

jazzyかと思いきやJerseyであった。ファルセット・ボイスのボーカリスト、フランキー・ヴァリを擁するニュージャージー州出身のフォー・シーズンズの足跡をなぞったジュークボックス・ミュージカルの映画化をクリント・イーストウッド監督が手がけた「ジャージー・ボーイズ」。ポピュラー音楽業界には、ありそうな栄光と挫折、そしてリカバリーのドラマをハリウッド力を駆使した映像を繰り出しで飽きさせない。まさにオールディーズそのものの楽曲群の魅力と歌い踊る俳優たちの力量は確かで演出も的を射ている。そして単純なエンターテイメントにとどまらない、メンバーの独白でつなぐプロット展開とヒューマン・ドラマとしての味付けがうまい塩梅なのだと思う。ミュージカル版も同じテイストなんだろうか、機会があれば観てみたい。
ミュージカル映画範疇で「舞妓はレディ」(周防正行監督)と比較してしまうのだが、フォー・シーズンズとしての最初のヒット「シェリー」、オリジナル・チームとフランキー・ヴァリの転機を刻んだ「キャント・テイク・マイ・アイズ・オフ・ユー(君の瞳に恋してる)」の両曲のキャッチが強く、ドラマツルギーのベースとなっているのが作品魅力なんだろう。
別途、「スコッチ・アイリッシュ」を考えてきたところが、この映画でボーイズは、都市部イタリア系移民のコミュニティを土俵としていた。彼らはカトリック、イタリア語の意思疎通が挟まれたり。音楽的にはリズム・アンド・ブルース出自というよりは都会的なポップ。でも、ドゥーワップ・スタイルのコーラス曲が多いからか黒人系がカバーしても全然面白い感じで、それがこのグループの妙か。プロデューサーのボブ・クリューって人物像もちょっと気になったな。ほかにどんな仕事しているんだろうか。そうか、「バイ・バイ・ベイビー」(クレジットは「君の瞳に恋してる」に同じくボブ・ゴーディオとの共作)はベイ・シティ・ローラーズがカバーしたんだったのね。
あと、なるほど、ジョー・ペシもニュージャージー出身か。

「ジャージー・ボーイズ」」の評価メモ
【自己満足度】=★★★★☆
【お勧め度】=★★★★☆