2013年5月10日金曜日

「オー・ブラザー!」を聴き直す

ルーツ・ミュージックたどりの旅程検証ということで、コーエン兄弟「オー・ブラザー!」(2000)サントラ盤を聴き直す。もともとお気に入りのアルバムながら、「ユー・アー・マイ・サンシャイン」「キープ・オン・ザ・サニー・サイド」「イン・ザ・ジェイルハウス・ナウ」などを除くと、採用楽曲はレア・コア系かと思っていたが、やはり、アラン・ローマックス、カーター・ファミリー、スタンリー・ブラザーズ関連の業績後継による歌唱の数々が収められていて、あらためて聴き入ってしまった。T=ボーン・バーネットがプロデュース、21世紀に向けたルーツ・ミュージック・リバイバルの嚆矢であったことは確かだと思う。
個人的な発見と再認識。は映画のグラウンド・テーマ・ミュージックともいえる「アイ・アム・ア・マン・オブ・コンスタント・ソロウ」、トラディショナル・フォークだそうだが、スタンリー・ブラザーズの録音が知られる。そして、ボブ・ディランが1962年のデビュー・アルバムで取り上げていたとと。ピーソール・シスターズが歌う「イン・ザ・ハイウェイズ」はメイベル・カーター作だったこと。昨年入手したアニタ・カーターのCDに収録されいたが、メイベル本人のは聴いた記憶がないなぁ。スタンリーズの弟ラルフのトラディショナル歌唱「オー・デス」も昨年の新刊本『the Carter Family : Don't Forget This Song 』(著作:Frank M. Young/David Lasky)の付録CDで、カーター・ファミリー・バージョンをみつけてしまった。メキシコ国境ラジオ局時代の録音らしい。「エンジェル・バンド」もスタンリー・ブラザーズ、カーター・ファミリーともに録音のある、より以前から歌われていたゆかしい香りの讃美歌。ギリアン・ウェルチとアリソン・クラウスの「アイル・フライ・アウェイ」はグルーグラス・フォーク調の心地よいアレンジ。思い出されるのはロイ・エイカフのバージョンだが、カントリー界では現在も、まま耳にするスタンダードか。
 などなど、映像ドラマとの相乗効果狙いもあるのか、あらためて、カントリー・ゴスペル、スピリチュアル範疇が多いことにも感心する。

◆追記◆
♪エンジェル・バンド(2013/05/20)
♪マン・オブ・コンスタント・ソロウ(2013/07/25)
「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」(2014/06/19)
T=ボーン・バーネットつながり(2014/07/08)
「貧者ラザロ」で、たどってみる(2014/11/26)

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