2014年11月21日金曜日

ベースメント・テープスの源流

ボブ・ディラン(Bob Dylan)&ザ・バンド(The Band)の『ザ・ベースメント・テープス』コンプリート版、CD6枚に収まった138トラックのうち4割強が自作曲ではないトラディショナルの解釈パフォーマンスや既存ポピュラー曲との戯れ。ディランらがインスパイアを受けたこうした源流楽曲のオリジナル・パフォーマンスを集めた英国版のコンピレーションCDを聴いていたことと、特集本「THE DIG Special Edition」の曲目解説を参考にし、これらの楽曲にフォーカスしてローテションを繰り返してみる。
コンピレーションCDは27曲収載でコンプリート版の1枚目および2枚目で取り上げられたものが多く、この前、言及した6枚目11番目のトラック「ゴーイン・ダウン・ザ・ロード・フィーリン・バッド」エリザベス・コットン(Elizabeth Cotten)の演奏で紹介されていて勉強になった。このコンピ盤、ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)、ジョン・リー・フッカー(John Lee Hooker)、ハンク・ウィリアムス(Hank Williams)、ハンク・スノー(Hank Snow)の持ち歌系統がそれぞれ複数ありものの、どういう訳か、2枚目に3曲取り上げているイアン&シルヴィア(Ian & Sylvia)のはどれも採用されてなかった。
そう、5枚目の16番トラック「ワン・カインド・フェイバー」は、例のハリー・スミス(Harry Smith)氏編纂『アンソロジー・オブ・アメリカン・フォーク・ミュージック』(1952年)のアンソロジー効果でファースト・アルバム『ボブ・ディラン』(1962年)でも取り上げたブラインド・レモン・ジェファーソン(Blind Lemon Jefferson)の「スィー・ザット・マイ・グレイヴ・イズ・ケプト・クリーン」に同じ曲だが、アレンジによる果敢な変貌。等々、トラディショナル系はもっと聴き込んでいかないと。

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