2015年4月30日木曜日

ことしの春もローズ・マドックスで、♪トランプ・オン・ザ・ストリート

今春は桜の開花も早い。しばしの沈思を経て、マドックス・ブラザーズ&ローズ(Maddox Brothers & Rose)の廉価盤CD4枚組みから、『コレクション・オブ・スタンダード・セクレッド・ソングス』(1959
年)というゴスペル・アルバムの部分が、少し上向きにセットしたという現在の心持ちにフィットする。「アイル・フライ・アウェイ」とかね。件の「ファーザー・アロング」も収載されている訳だが、アルバム冒頭の「トランプ・オン・ザ・ストリート」の旋律は、「ファーザー・アロング」に重なっていることが気になる。「ファーザー・アロング」はカントリー・ゴスペルとしてスタンダード化しているが、「トランプ・オン・ザ・ストリート」は別の演奏を聞いたことないなぁーと思いを巡らす。さて、どっちがどうなのやらと。

◆追記◆
その後ちょっと調べてみて、「トランプ・オン・ザ・ストリート」、1940年代に活躍したアパラチア系のカントリー・シンガー、モリー・オデイ(Molly O'Day)の持ち歌らしいということは分かった。ベア・ファミリー・レコーズのコンピレーションCD『カントリー・ボーイズ・ドリーム』(2008年)に、モリー・オデイ&ザ・カンバーランド・マウンテン・フォークスによる1947年リリース版が収録されていた。流行歌としては、こちらがオリジナルといっていいのかな。楽曲クレジットは「Cole」のみとなっていて、これもさらにリサーチしてみると、グラディ&ヘイゼル・コール夫妻の共作だという。「ファーザー・アロング」との関連性までは及ばなかったが、ハンク・ウイリアムス(Hank Williams)も歌っているらしいことが分かった(手元のハンク・ディスクには収録なし)。
ちなみに、このコンピ盤には、やはりローズが十八番としているカントリー・ゴスペルの一つ「ダスト・オン・ザ・バイブル」も収録されていた。こちらも1947年でベイレス・ブラザーズ(Bailes Brothers)のパフォーマンス、クレジットを見ると、どうやらライター・チームによるものらしい。(2015/05/19)

◆過去のメモ◆
この春はローズ・マドックスで、(2014/03/08)

2015年4月23日木曜日

「バードマン」

「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督作品は2011年に観た「ビューティフル」以来ということで久々の感慨。アカデミー賞の主要な部門を受賞しているので、前評判、いくばくかの予断と刷り込みがあったのが障害となったか。かつてバッドマンを演じたマイケル・キートンを主演に据えたカリカチュアライズが確かに作品コンセプトの肝なのだろう、而して、個人的な鑑賞歴からはマイケル・キートンというと、「ラブ IN ニューヨーク」 (1981、ロン・ハワード監督)での遺体保管所で働く青年のキャラクターとキレた演技から離れられずじまい。というわけで、「バードマン」には素直に移入できなくって、、、
米国映画史では度々製作されてきたショウビジネス業界内幕ものともいえるし、賞狙い企画でもあるし、おいおい、「ブラック・スワン」(2010、ダーレン・アーノフスキー監督)を踏襲かと含ませる死の予感に満ちたプロット展開も用意しているし。鑑賞者へ委ねる度合いの幅を持たせた顛末は及第点といえるが。
レイモンド・カーヴァーの戯曲なのか?劇中劇、対抗役のエドワート・ノートンは、まさしく期待と違わぬ「エドワード・ノートン」らしく、あるいは、特段に親子関係が掘り下げられるというわけでもないものの、存在感を放つ娘役のエマ・スートンら、役者は揃っていて見応えはあり。
レイモンド・カーヴァーはフォローしたい気になって、「ラブ IN ニューヨーク」 も、また観たくなり。

「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」の評価メモ
【自己満足度】=★★★☆☆
【お勧め度】=★★★☆☆