2012年2月26日日曜日

バーバラ・ヘンドリックスに教わる

ブラックとホワイトを巡って、やっぱり、「ウィル・ザ・サークル・ビー・アンブロークン」に繰り返し戻ってくる。カントリーミュージシャンたちが歌っているのは、もちろん、A・P・カーター(A.P.Carter)作詞。旋律に前史があるのは、何とはなく意識していたが、ゴスペルで歌われているのは「グローリー、グルーリー !(ハレルヤ!)」として、そして本日の気づき、そのルーツはニグロ・スピリチュアルの「ホエン・アイ・レイ・マイ・バーデン・ダウン」。20駿年前に購入したバーバラ・ヘンドリックス(Barbara Hendricks)の黒人霊歌集で再発見する。「この重荷をおろしたら」という、元歌の歌詞はシンプルで典型的なスピリチュアル。ザ・バンド(The Band)の「ウエイト」とは呼応関係、発展系になっているのにも感心。
それにしても、この辺の関連、日本語文献では読んだ記憶がないのだが、、、どうなんだろう。

2012年2月25日土曜日

最後に、♪ファーザー・アロング

今日は寒が戻ってます。ブラック・エース(Black Ace)の「ファーザー・アロング」への気づき(ゴスペルを巡るブラックとホワイト、2012/02/09)で、もっと早く認識しておくべきことも。ニッティ・グリッティ・ダート・バンド(NGDB)『Will the Circle Be Unbroken』のボックスセット、CD5枚目の最後、つまり、ボリュームⅢのアルバムで締めを務めたランディ・スクラッグス(Randy Scruggs)のギター・インストゥルメンタル曲、そして、ボーナスDVDのタイトルでもあった。何やら意味深長。ちなみに、DVDには表題曲のライブ演奏はないと思っていたのだが、、、
ただ、厳密に言うと「ファーザー・アロング」はエンディングではなく、遊び心的ボーナス・トラックの「ウエイト」が演奏されフェイド・アウトしていく(♪ウエイト、カントリー・ゴスペルとロックの出会い、2011/11/08)。
寒さの中、部屋の椿が一輪咲く。ゴスペルからスピリチュアルへとなびいてきているが、明日はどちらに。

◆追記◆
再び、♪ファーザー・アロング(2012/08/15)
ジョージ・ジョーンズ逝く(2013/04/28)

2012年2月24日金曜日

ギターを持った伝道師

本日、回線移設完了でいよいよ新しい環境へ。昼間はやっと、日一日と氷雪が解ける感じに期待。今週はついに、ブラインド・ウィリー・ジョンソン(Blind Willie Johnson)のCD16曲入りを入手、ピッタリはまる。ブラインド・ウィリー、そうですか、「ギター・エヴァンジェリスト」って言い方もあるのね。「ダーク・ワズ・ザ・ナイト」、うなっている、ギター、いいね。クレジットはトラディショナル1曲を除き、すべてウィリー。ジェントルな歌い口もある、「アメイジング・グレイス」の元歌(旋律)って感じで、中盤から移ろいでいく。
そうそう、AV環境も復調。録画映画も消化していかなくちゃ。

2012年2月19日日曜日

上映されなかった、C・イーストウッド映画

引っ越し作業は寒気で進まず、本日もマイナス20度近い冷え込み。あと数日はこんな感じか。その後の降雪が抑制されているのと、陽射しの強まりに元気づけられているのだが。移転先へ先に居を移しつつネット環境は週末になるのでしばしの間、DVD・録画類の鑑賞でモチベーションを高めようか。
ヴィム・ヴェンダース監督「ソウル・オブ・マン」(2003年)のサントラ盤、ブラインド・ウィリー・ジョンソン(Blind Willie Johnson)本人音源は表題曲のみだった?CDも手元になかったかな、もっと聞きたい。そう、ブルース100年の映画プロジェクトで、連作のうちクリント・イーストウッド監督の「ピアノ・ブルース」(2003年)だけは札幌でかからなかったので、これもまた、あらためて観たい気持ちが高まってきた。DVDか。この方向だと、ジャズに再接近することになりそう。いわんや、イーストウッドの周辺で音楽を探ると、またまた深みにはまりそう。それもよいか。

2012年2月18日土曜日

〈ソウル・オブ・マン〉

ヴィム・ヴェンダース監督「ソウル・オブ・マン」(2003年)は、3人のブルースマンに焦点を当てているが、映画タイトルに転用された表題曲を演奏するブラインド・ウィリー・ジョンソン(Blind Willie Johnson)を描いた映画手法は映画史に記憶されるべきもので、ブルースの歴史と音楽性を表現する相乗効果で成功している。
コーラスの黒人女性ひとりを伴った演奏と生活を映した「コマが足りない」感じのモノクロームのフィルムは、「よくぞこんな歴史的映像が残っていたものだ!」と、感心半分、不思議半分な心持ちを抱かせる。ヴェンダースによると1920年代前半に使われていた手回しカメラ(骨董品!)で撮影した再現ドラマなのだというから、繰り返し観て吟味したくなってしまう。
ヴェンダース担当の本作はブラインド・ウィリーとスキップ・ジェイムス(Skip James)、J・B・ルノアー(J. B. Lenoir)の古典曲を、ルシンダ・ウィリアムス(Lucinda Williams)、ベック(Beck)ら現代ミュージシャンたちが解釈するといったトリビュート企画が、もう一つの柱となっているだけに愛着も増す。
神にも増して、悪魔も歌うブルースマン。ゴスペルフィールドからアプローチしてきたのだが。

◆追記◆
ブラインド・ウィリー・ジョンソン(Blind Willie Johnson)関連で、、、
♪ダーク・ワズ・ザ・ナイト(2012/03/10)
♪マザーレス・チルドレン(2012/07/05)
ディラン、ファースト・アルバムの元歌対比集(2014/06/08)
ほかに、
T=ボーン・バーネットつながり(2014/07/08)

2012年2月17日金曜日

ゴスペル・ギター

ブラック・エース(Black Ace)からシスター・ロゼッタ・サープ(Sister Rosetta Tharpe)で、ロゼッタの「ジャスト・ア・クローサー・ウォーク・ウィズ・ゼィー」から離れられず。歌唱にも特徴があるが、何といってもギター。スピリチュアルならではのアカペラ・ゴスペルとは対照的に、かき鳴らされるリズムのはっきりしたブルース調ギター。ちょっと、ほかの曲も聴いてみたくなる。
ゴスペル・ギターで思い出したのは、ブルース100年の映画プロジェクト。第1作として観たのが、ヴィム・ヴェンダース監督「ソウル・オブ・マン」(2003年)で、カーステレオでサントラCDを流して記憶をたどる。ブラインド・ウィリー・ジョンソン(Blind Willie Johnson)、スキップ・ジェイムス(Skip James)、ちゃんと聞かなくちゃ。
生活の変わり目として、6ヵ月間の通い充電期間もそろそろ終了。春に向けて動き出すか。でも、今朝のマイナス20度はつらかったなぁ。

2012年2月12日日曜日

♪ピース・イン・ザ・バレー

ものの本によると、トーマス・A・ドーシー(Thomas A. Dorsey)が「ブラック・ゴスペルの父」と呼ばれているそうで、「ピース・イン・ザ・バレー」は代表作品の一つだということを知った。ジョニーキャッシュ(Johnny Cash)、エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)の歌唱には親しんででいて、レッド・フォリー(Red Foley)の録音も手元にあった。たまたまか、ブラック系を聞いていないような気がするが、、、認識不足か。
ブラックとホワイト、「ジャスト・ア・クローサー・ウォーク・ウィズ・ゼィー」、その後、エラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)、シスター・ロゼッタ・サープ(Sister Rosetta Tharpe)の歌唱をみつける。スピリチュアルルーツなんだろうな、ジャズバージョンがあるとか、さらに探究中。
雪降らなくてよかった。でも、寒かった。明日からこそはと、希望。

2012年2月11日土曜日

♪ウィル・ザ・サークル・ビー・アンブロークン

本日も早朝はマイナス20度近い冷え込み。体が慣れてきたのと春への期待でどうにか持ちこたえる。最高気温もマイナス7度の予想だが陽射しの強さも日ましで、天気がよければ氷雪を溶かしていくのが心地よい。このモチベーションを得て、引っ越し本格着手へ、との気持ちになる。とりあえず、荷物運んで、、、掃除が最大の難関。
本日は移転先のAV環境を整え、ニッティ・グリッティ・ダート・バンド(NGDB)『永遠の絆(Will the Circle Be Unbroken)』のボックスセットのDVDでも観ようかな。ここでまた、仕切り直し。このサークルも一回転。
明日も晴れたらいいな。

2012年2月9日木曜日

ゴスペルを巡るブラックとホワイト

今朝はマイナス16度くらい。寒気が戻りつつも、もう少しの我慢と、春への期待で前向きに気持ちを整える。この間とどまっている、コンピレーション3CDセット『THE ESSENTIAL GUIDE TO GOSPEL』1枚目でブラック・エース(Black Ace)の「ファーザー・アロング」に気づく。ブラックの歌唱、、ミシシッピ・フレッド・マクダウェル(Mississippi Fred McDowell)のような濃厚ブルースではなく、フォーク、ヒルビリーっぽい香りがあるのが特徴。
気づいたのは,ほぼこの同時期、アーネスト・タブ(Ernest Tubb)の「ファーザー・アロング」をカーステレオのCDで流していたこと。カントリー・ブルースか?、ゴスペルを巡るブラックとホワイトの関係性、ブラック・エースの立ち位置、調べてみたくなる。

◆追記◆
最後に、♪ファーザー・アロング(2012/02/25)
再び、♪ファーザー・アロング(2012/08/15)
♪ロック・オブ・エイジズ(2013/01/05)
ルーツをたどり、レスリー・リドルへ(2013/02/04)
ジョージ・ジョーンズ逝く(2013/04/28)
ソングスター!?だったのか。(2013/07/18)

2012年2月5日日曜日

〈スーパー8〉

映画界をフィルム力で支えてきた寡占・巨大企業、米イーストマン・コダック社が米連邦破産法適用を申請と、報じられたのは先月下旬であったか、デジタル化の進展状況を知らしめるニュースであった。映画の自主製作に少しは関わった経験のある映画ファンにとって、昨年公開の「SUPER8/スーパーエイト」(2011年)は、「物語の出来栄え」はともかく、ノスタルジーを醸し増幅する仕掛けに誘引力があった。パーソナルユースのムービー製作システム、コダック・スーパー8で自主製作に興じる主役・少年は、スピルバーグの子供時代を描いたかと紛う導入から展開が、トリビュート・トゥ・スピルバーグを基軸に、凡庸な言葉ではあるが「映画愛」に満ちている。
もっとも、製作チームの少年らが歌っていたのは、ザ・ナック(The Knack)の「マイ・シャローナ」、ラジオからはブロンディ(Blondie)が流れてくるなど、時代設定は1970年代末か1980年くらいで、たぶん監督のJ・J・エイブラムスの記憶。自主製作映画のシナリオコンセプトは「レイモンド・チャンドラー風ハードボイルドのゾンビアレンジ」で、特殊メイクのディック・スミスへのオマージュも。現在までの隆盛を誇る「ゾンビ」の定型をワールドワイドに普及したジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ」は1978年、私どもの映画記憶でもある。

2012年2月4日土曜日

♪アメイジング・グレイスに共通して、

コンピレーション3CDセット『THE ESSENTIAL GUIDE TO GOSPEL』の1枚目続きで、パッツイ・クライン(Patsy Cline)の「ジャスト・ア・クローサー・ウォーク・ウィズ・ゼィー」。黒人系ゴスペル、カントリー双方で広く長く歌われているスタンダード、その意味では珍しい楽曲なのかなと考えてみる。ほかに思いついたのは、「アメイジング・グレイス」くらい。この曲は、昨年公開されたマイケル・アップテッド監督の映画「アメイジング・グレイス」(2006年)でも描かれたように、奴隷船の船長を経験した英国人の作詞。ニグロ・スピリチュアルではないので、これだけ黒人に受け入れられているのも妙、とか思ったりっも。
「ジャスト・ア・クローサー・ウォーク・ウィズ・ゼィー」、新しいものではサラ・エヴァンス(Sara Evans)のバージョンが手元にあるのを見つけて聴いている。この組み合わせも、ちょっと意外、でも、カントリー・ミュージックらしさにも思える。

◆追記◆
スコッチ・アイリッシュと♪アメイジング・グレイス(2014/10/02)

2012年2月1日水曜日

ローズ・マドックスの時代

コンピレーション3CDセット『THE ESSENTIAL GUIDE TO GOSPEL』の1枚目、ローズ・マドックス(Rose Maddox)の歌唱は「ターン・ユア・ラジオ・オン」と「ギャザリング・フラワーズ・フォー・ザ・マスターズ・ブーケット」で、後者はマドックス・ブラザーズ(The Maddox Brothers)によるパフォーマンスとして。ゴスペルのタイトルは、これまでほとんど記憶してこなかったけど、ともに曲調は耳に馴染んだものとして響く。トラディショナルというより創作曲らしい。
「ギャザリング・フラワーズ・フォー・ザ・マスターズ・ブーケット」は別なCDセットで、ローズよりやや年長、キティ・ウェルズ(Kitty Wells)の歌唱を見つける。大恐慌による荒廃から大戦を経てといった、ほぼ同世代による、カントリー・クラシックの女王道といえる演奏が心地よい。(カントリー)ゴスペルの楽曲目録も整理してみたくなる。
寒波続いて今朝もマイナス20度?月も替わったし、今日ぐらいで底打ちにしていただきたいものです。

◆追記◆
マドックス・ブラザーズ・アンド・シスター・ローズのアルバム(2013/05/21)
ヒルビリー・バンド(2013/05/31)
この春はローズ・マドックスで、(2014/03/08)