2012年12月25日火曜日

25日はリーバ・マッキンタイア

新しいクリスマス・アルバム(CD)のコレクションとして、ウェブ通販で取り寄せ発注していた、ジーン・オートリー(Gene Autry)とリーバ・マッキンタイア(Reba McEntire)が、暦通りの起点日である本日到着。ともに複数のアルバムを基にしたコンピレーション盤というのが共通項。リーバから聴き始め、クリスマス・スタンダードが中心の編集と思い込んでいたものの、そうではなかった部分に新鮮な驚きがあった。トラディショナル・クレジットの楽曲も、他者のアルバムでは取り上げられる機会が稀?とか、あと、ヴァースもしくはこれに準じた前ふり語り付きもジャズ系ではないコンテンポラリーでは珍しいと感じた。より若いころと思わせる歌声による歌唱は安定。日本での認知度からはうかがい知れない、カントリー・シンガーとしての実力、長期にわたる人気・キャリアの一端を垣間見れた。
クリスマス・ソング鑑賞、手持ち分含め今シーズンは、カントリー系重点で聴き込めた。スタンダード以外、近作オリジナルではやはり、フィドルやバンジョーの調べが心地よいロンダ・ヴィンセント(Rhonda Vincent)の「クリスマス・タイムアット・ホーム」が出色。あと、アルバムではエミルウ・ハリス(Emmylou Harris)の『ライト・オブ・ザ・ステイブル』(2004年の増補盤)にあらためて感心。リッキー・スキャッグス(Ricky Skaggs)はじめ演奏も最高、かけ流すよりはオーディオ向きなのかと思う。これもスタンダードとあまり知られてないトラッド、新しい曲のバランスがほどよい。アルバム表題曲は1975年にシングル先行、ニール・ヤング、ドリー・パートン、リンダ・ロンシュタットによる豪華なサポート・コーラスなどもあり満たされた気分に。
通年で親しんできた(広義の)ゴスペルから、もう少し深めたかったというのが現在の心境。ニグロ・スピリチュアル系では「ゴー・テル・イット・オン・ザ・マウンテン」がある程度幅広く知られているか。今回、カントリー系のバージョンには当たらなかった。
日本標準でいくと、クリスマス(の雰囲気)は25日で終了。しかし、クリスマス・アルバムはホリデイ・アルバムでもあるし、個人的には年明けまで聴いていくことに。それにしてもこの冬は早くて厳しい。

2012年12月23日日曜日

ロバータ・フラックのホリデイ・アルバム

今シーズン新規購入したクリスマス・アルバム(CD)、レディ・アンテベラム(Lady Antebellum)の『オン・ディス・ウィンターズ・ナイト』の後は間が伸びてしまったが、『ケニーとドリーのクリスマス(Once Upon a Christmas)』ロバータ・フラック(Roberta FLack)の『christmas songs』の2点まで。ともに、初発バージョンの再編集・リミックス盤というところに共通点あり。クリスマス・アルバム、ぅむ、米国じゃ最近、「ホリデイ・アルバム」といことが多いみたいだが、このジャンル、こうした形でのリ・リリース頻度が高いようにも思われる。その意味合いは???レディ・アンテベラムのアルバムも増補バージョンだし。
私にとって、ケニー・ロジャース(Kenny Rodgers)とドリー・パートン(Dolly Parton)の盤、ロバータ・フラックの盤とも、店頭にての初見。ドリーのクリスマス・アルバムは1枚も持っていなかったし、デヴィッド・フォスター(David Foster)のプロデュースものということで、前者には食指が動いた。『ボディガード』(ミック・ジャクソン監督、1992)、ホイットニー・ヒューストンによる「オールウェイズ・ラブ・ユー」のヒットは、このクリスマス盤初出の8年ほど後になるということか。
気分転換、趣向を変えてちょっと試してみたロバータ『christmas songs』(1997年初発の改訂盤?)はかなりはまってしまった。選曲はトラッドが半分程度。ソウルフルというのでもない黒人音楽の香り、ブルーに沈まないソフトなジャズフィーリングの歌唱が心地よい。アレンジがまた独特、定番「オー・カム・オール・イェー・フェイスフル(アデレス・フィデレス)」など事程左様に。新作系もまたロバータ・フラッタならでは節回しで。のオリジナル盤にも興味がわくが、、、。

ロバータ・フラック『christmas songs』の評価メモ
【自己満足度】=★★★★☆
【お勧め度】=★★★☆☆

「ホリデイ・アルバム」についての追記
そういえば、今月上旬、第55回グラミー賞のノミネートが発表、「最優秀トラディショナル・ポップ・ボーカル・アルバム」にキャロル・キング(Carole King)の『A Holiday Carole』とあったが、これはちょうど1年前によく聴いていた『A Christmas Carole』なんだろうね。日本盤か。

2012年12月22日土曜日

♪ハーク、ザ・ヘラルド・エンジェルズ・シング

今シーズンのイッツ・ア・ワンダフル・ライフ、「素晴らしき哉、人生!」(フランク・キャプラ監督)はBS放送の録画で視聴。父の帰りを待ちつつクリスマスの集いへ、子どもがピアノ演奏の練習をしている聖歌は「ハーク、ザ・ヘラルド・エンジェルズ・シング」。「天使の歌を聴こう!」と呼びかけているわけで、守護天使が登場する、このファンタジー映画相応の洒落がきいている。
この楽曲、歌詞はメソジスト派系の讃美歌、曲は何と、由緒あるメンデルスゾーンだそう。カントリー系ミュージシャンのクリスマス・ソング歌唱は讃美歌系がよく馴染むと思うが、「ハーク、ザ・ヘラルド・エンジェルズ・シング」も然り。キャリー・アンダーウッド(Carrie Underwood)のは、とりわけお気に入り。やはり、メソジスト派に縁が深い「アウェイ・イン・ア・メインジャー」もカントリー歌手好みで、かなりの確率でクリスマス・アルバムに収録されているとの心証、メルクマールですなぁ。女声はだいたいどれもいい感じ、リッキー・スキャッグス(Ricky Skaggs)も思い出して聞きたくなる。
「素晴らしき哉、人生!」で、ジョージ・ベイリー、メアリー夫妻の思い出の曲というと、やはり「バッファロー・ギャルズ」。前から気になってはいたが、ミンストレル(ショー)の系統なのかな。今度、調べてみましょう。

2012年12月17日月曜日

♪フェリス・ナヴィダ

クリスマス・アルバムを傾聴する日々も佳境へ。好んで聴き込んでいなかったセリーヌ・ディオン(Celine Dion)のCD『THESE ARE SPECIAL TIMES』を流してみると、「Felis Navidad」に耳にとまる。スペイン語の「フェリス・ナヴィダ」は、英語では「メリー・クリスマス」。そう、プエルトリコ出身のブラインド・シンガー&ギタリスト、ホセ・フェリシアーノ(José Feliciano)がオリjジナルでした。
ラテン系ではよく知られたクリスマス・スタンダード曲らしいが、英語圏系ミュージシャンのバージョンは少ない気がする。人々の安寧と幸せを祈る至ってシンプルな歌詞が、ラテンのリズムで語られる。ラテン的な陽気さを捨象して深みのあるアレンジを施したブラス・ロックのシカゴ(Chicago)と、ポルトガル語を交えて歌った小野リサの演奏は対照的だけど、ともにとても気に入っていて愛聴。フェリシアーノのオリジナルも聴きたくなってしまった。

2012年12月13日木曜日

アラン・ローマックス

今年は冬の仕上がりが早いなぁと、最寒期に向けて気合いを入れ直すこのごろ。
『American Ballads and Folk Songs』に前後して、『アラン・ローマックス選集 アメリカン・ルーツ・ミュージックの探究 1934―1997』(ロナルド・D・コーエン編、柿沼敏江訳)が届き、さすがに日本語の方が得意なので、こちらを先に読み通してしまう。何よりも、アラン・ローマックス著作ということで、邦訳自体が画期的だったのでは(2007年発刊)。
『American Ballads and Folk Songs』は、父ジョンとの共著で、ディスクに直接焼きつけるディクタフォンという録音機材で現地収集したフィールドワークが基になっており、この選集では、それら収集の経過の実際が語られ、フィールドのイメージが浮かび上がってきたのが、予習としても収穫だった。
レッドベリーを刑務所から解放するためのはたらきかけといった、よく知られた逸話などのほかで、認識が薄かった経歴も概括できた。民俗音楽の収集は北米にととまらず、カリブの島嶼や西欧などワールドワイドに及び、これらの経験と蓄積が「計量音楽学」、「計量舞踏学」の学際的研究傾倒に結びついていったという。たぶん本邦ではほとんど知らていなかった、アランのこうした学究活動は、マーガレット・ミード、グレゴリー・ベイトソンらに連関する文化人類学として、見識は真っ当に思えた。基底にエコロジカルな思考が流れているのも確か。
技術の進歩に支えられた録音・録画機材を駆使し、失われつつある楽曲・民俗パーマンスの記録、保存、研究に取り組む一方、もちろんテクノロジーの限界も心得る。都会のカントリー演奏家を「シティビリー」というのだそうだが、民俗音楽にこそ、そのヴァナキュラーな価値を一貫して最も重視するアランの慧眼に肯かせられる。
この書籍もサンプルCD付き、これから楽しむことに。

◆追記◆
放送録画ストックからジョン・ウー監督の「M:I‐2(ミッション・インパッシブル2)」(2000)を流し観して、内容としては「どうでもよかったな」と引けた感想を抱きつつエンドロールの楽曲クレジットをみると、スペイン語かと思われるタイトルに「アラン・ローマックスのアレンジによる」の記載を発見。3曲くらいはあったか。ローマックス収集曲が散りばめられていたとは。「どの曲?」と認識しないままに鑑賞を終えて、録画自体も消去してしまった。その後、サウンドトラック盤のデータなどをリサーチしてみたが、ローマック関係は収録されていないようだ。オリジナルスコアはハンス・ジマーだけど、どんな経緯でアラン・ローマックスが取り上げられたのやら。(2015/08/26)

2012年12月8日土曜日

レオン・ペイン

「ブルー・クリスマス」オリジナル録音、アーネスト・タブ(Ernest Tubb)のストックを探していたら、「アイ・ラブ・ユー・ビコーズ」とう楽曲に遭遇。この曲、知人遺品からちょうど発掘して聴いていたエルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)のCD『The Sun Sessions CD』に、マスターのほか3つのテイクが収録されていて、驚きと喜び。しかも、オリジナルはパフォーマンス・作とも、以前、ハンク・ウィリアムス(Hank Williams)の歌唱で知られる「ロスト・ハイウェイ」の原作者であると記した、ブラインド・カントリー・シンガー、レオン・ペイン (Leon Payne)だったというから、興味倍増である。
ウィキペディア英語版などをみせていただくと、レオン・ペインの楽曲はカバーが多々あり、アメリカン・ルーツ・ミュージックの深みに触れた思い。手持ちで聴けた分のカバー・バージョンもそれぞれ傾聴に値するし、オリジナルも味わい深しである。

2012年12月6日木曜日

「恋のロンドン狂騒曲」

ウディ・アレン監督の「恋のロンドン狂騒曲」、製作は2010年とあったので、「ミッドナイト・イン・パリ」が本邦公開が先だったということかな。一般には、「ミッドナイト・イン・パリ」の方が好まれる映画なのだと思う。しかしながら、ウディ・アレンのファンとしては、「星に願いを」の歌唱が流れる導入からして、近作では一番、ストーリーテリングにマッチしたサウンドトラックが楽しめる作品であった。
クレジットはなかったと思うが、80~90年代のアレン作品の多くで音楽監督を務めたディック・ハイマン調が復活している。音楽のセンスにおいてソフィスティケイテッドの意味を教えてくれた、これぞアレン映画!のサウンドである。かつては、ピアノ演奏も採用されていたディック・ハイマン、ご高齢と思われますが、お元気なのでしょうか。
この映画、おそらくはプロットの収束において、何かしらの不満が持たれるのだろうが、その他は、アイロニーに満ちたコミカルな台詞回しで、繰り返し作劇されてきた恋のから騒ぎとパーソナルな不安がモチーフのアレン・ワールドそのもの。不安症候群のバックグラウンドに、老いがクローズアップされてきたのもむべなるかな、監督も相応の齢なのだから。

「恋のロンドン狂騒曲」の評価メモ
【自己満足度】=★★★☆☆
【お勧め度】=★★☆☆☆
⇒アレン・ファンにはプラス

2012年12月5日水曜日

カントリー発のクリスマス・ソング

カントリー系のクリスマス・シーズン楽曲を聴きながら、「カントリー発のクリスマス・ソング」って何と考えてみた。スピリチュアル、ヒムやセクレッド・ソングなど讃美歌系を除くと、やはり、ジーン・オートリー(Gene Autry)の「フロスティ・ザ・スンーマン」「サンタ・クロースがやってくる」「赤鼻のトナカイ」の3曲が著名度が抜群なのかな。「フロスティ・ザ・スノーマン」はロレッタ・リン(Loretta Lynn)、「サンタ・クロースがやってくる」はエルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)とリアン・ライムス(Leann Rimes)によるリミックス・デュエットの歌唱が、それぞれ相当のお気に入りで、なるほどカントリーの香りがするが、「赤鼻のトナカイ」ではにわかにカントリー系の気に入ったパフォーマンスは思いつかない。而して、この3曲、お子様(ファミリー)仕様というのには意外感あり。
そう、エルヴィスといえば、「ブルー・クリスマス」。この楽曲を初めて録音したのは、アーネスト・タブ(Ernest Tubb)だったといのは再発見。こちらは確かに、レディ・アンテベラム(Lady Antebellum)しかり、カントリー系ミュージシャンの録音は、それなりに多いように思われる。アーネスト・タブのオリジナル歌唱は聴いたことがないような、、、、と、よぎり、ちょっと探してみる。
これら4曲、第二次大戦後の5~6年後につくられている共通性もおもしろいところ。
しかし、カントリー系では、讃美歌やキャロルの歌唱に、深い味わいがあるのも魅力。引き続き、こちらも考えてみることに。

2012年12月3日月曜日

今シーズンも、カントリー畑のクリスマス・ソングで

レディ・アンテベラム(Lady Antebellum)の『オン・ディス・ウィンターズ・ナイト』の後は、ニュー・リリースまたは未収集のクリスマス(ホリディ)・アルバムを仕入れていないが、早や12月に突入。クリスマス・ソング愛好家には、短い1か月あまりで、一年の音楽放浪の総括としても、やはり、カントリー畑を重点的に聴いていくことに。
さっそく、何枚かのコンピレーション盤や例の『エルヴィス・クリスマス・デュエット』などをかけ流している中、ワイノナ(Wynonna)って、アシュレイ・ジャッドとは異父姉妹だったと思い当たる。そう、母親は母娘デュオ、ジャッズ(Judds)のナオミ・ジャッド(Naomi Judd)。カントリー・ミュージック界ではよくあると思われる、這い上がりでカントリー・スターに上りつめたナオミの「日系?」説も何かで読んだ記憶があるが、にわかに真偽は分からず。
ワイノナのボーカルにもまして、アシュレイのフィーリングと演技のシブさは玄人好みだな。華があるラブ・コメ向きの美人というのではなく、サスペンスや社会派系にフィットした安定したパフォーマンス。「正義のゆくえ  I.C.E.特別捜査官」(ウェイン・クラマー監督、2009)も、まずまずでした。フィルモグラフィは、なかなか興味深く、未見は気になるもの多し。