2015年5月31日日曜日

♪オールド・ディキシー・ダウン

「トランプ・オン・ザ・ストリート」ことしの春もローズ・マドックスで、2015/04/30)をジョーン・バエズ(Joan Baez)が歌っていることを知り、『ザ・カントリー・ミュージック・アルバム』(1979年)のCDを入手、このカントリー・アンソロジーとしてのコンピレーション・アルバム、これまた妙にスムーズにフィットしてしまった。1971年のヒット曲「オールド・デキシー・ダウン」で始まるのだけど、そういえばこの曲、ザ・バンド(The Band)っていうかロビー・ロバートソン(Robbie Robertson)の曲であったことを、これまであんまし意識していなかったことに気づいた。南北戦争の終結を受けての、南部男の一人称語りで確かにカントリー・テイスト、意識してみると目からウロコが落ちたがごとく、あまりにもザ・バンドらしい秀曲である。手元のライブ盤を引っ張り出し繰り返し聴き直す。
ところで、バエズ『ザ・カントリー・ミュージック・アルバム』収載の20曲には①ソング・オブ・ザ・サウス②ラブ・ソングズ③ルーツ・アンド・プロスペクツ④オールド・タイミー・ソングズ―として4分類の小タイトルが付されいる。私見ではコアなカントリー・ソングだと思っている「黒いヴェールの女」とか「アイ・スティル・ミス・サムワン」は「ラブ・ソングズ」に入っていて、「トランプ・オン・ザ・ストリート」は「ルーツ・アンド・プロスペクツ」の、「オールド・デキシー・ダウン」は「ソング・オブ・ザ・サウス」の分類、「オールド・タイミー・ソングズ」にかけての後半の多くはカーター・ファミリーのリスペクト集。
「ルーツ・アンド・プロスペクツ」、ルーツの対照概念と思われるプロスペクツ、分類された楽曲に関しての意味合いがよくのみ込めていないのだが。グラム・パーソンズ(Gram Persons)の手にかかった「ヒッコリー・ウインド」とかが入っているので、そのようなくくりなのか。

2015年5月14日木曜日

《ボブ・ディランのアメリカ~愛聴盤101枚の世界~》

出版は気に止めていて手元には置いておいたのだけど、やっと鈴木カツ氏の『ボブ・ディランのアメリカ~愛聴盤101枚の世界~』(2014・4)に着手、読み進めていところ。ここ2~3年のボブ・ディランに傾いた渉歴から見逃しはできぬとは思っていたが、開いてみて101枚中の1番目は何とあの、ハリー・スミス編纂、1952年初発の『アンソロジー・オブ・アメリカン・フォーク・ミュージック』『アンソロジー・オブ・アメリカン・フォーク・ミュージック』、2014/09/28)で、かつ、書籍の扉にそのジャケットのカラー写真が掲げられているとか、一般には語られることが少ない1962年のデビュー・アルバム『ボブ・ディラン』ディラン、ファースト・アルバムの元歌対比集、2014/06/08)の評価であるとか、まさにこの間の小生の見立てと重なる指摘に安堵したり、諸々の知見からは視界も広がったりである。
デビュー盤収載の「朝日のあたる家」♪連れてってよアルバム、2014/09/13)とアニマルズの録音の関連については、「真相は藪の中」と言われてしまうと、やっぱり、そうなのかともね。
じっくり読み解き、聴き解いていくことに。

◆過去のメモ◆
アンソロジーとしての、ザ・ベースメント・テープス(2014/11/09)
ベースメント・テープスの源流(2014/11/21)
「♪貧者ラザロ」で、たどってみる(2014/11/26)

2015年5月2日土曜日

「セッション」

引き続きアカデミー賞がらみで、予告編は観ていたし、デイミアン・チャゼル監督の「セッション」。観るところはあるが、素直に私にはカタルシスが得られなかった顛末。鑑賞日の気分、モチベーションの問題かというと、そうでもないように思え。主人公・学生ドラマーの心情には共鳴できそうだが、怪演のスパルタ教授は邪悪な宇宙人でないかとの疑念に駆られ。クライマックス、見せどころかもしれないが、画と音、パフォーマンスの描写に圧倒されると、映画の趣意が読み解けなくなってしまうようでもあり。

「セッション」の評価メモ
【自己満足度】=★★★☆☆
【お勧め度】=★★★☆☆