2012年1月31日火曜日

ストーンズが歌ったゴスペル

『THE ESSENTIAL GUIDE TO GOSPEL』というコンピレーション3CDセットで、ゴスペルを再学習中。1枚目は「ルーツ&パイオニア」がコンセプトというが、ローズ・マドックス(Rose Maddox)、ミシシッピ・フレッド・マクダウェル(Mississippi Fred McDowell)の歌声に耳が止まる。フレッド・マクダウェルって、ローリング・ストーンズ (The Rolling Stones) の「ユー・ガッタ・ムーヴ」のオリジナルを歌っていたブルースマンだったね!フレッド・マクダウェル歌唱の原題は「ユー・ガット・トゥ・ムーヴ」だったか、。そこで、気づいたんだが、この曲って「ゴスペル/スピリチュアル」だったんだ。何て、ブルースとゴスペルの垣根の低いことか。ゴスペルといっても教会で歌う讃美歌ではない、俗と聖が直でつながるシンプルな世界観の歌詞。カントリー・ゴスペルもそうだが、宗教観をベースにした多様な表現のゴスペルが、ここかしこに存在していることを再認識した。
少し調べてみると、フレッド・マクダウェルが創作したという訳ではなく、スピリチュアル・俗謡としての歴史があるらしい。古い録音ってほかにあったかなぁ。

2012年1月30日月曜日

♪マリア、を歌う韓流女優

昨日、「きみはペット」(2011年)という韓国映画を観たが、原作は日本の少女漫画ということで、同パターンの「カンナさん大成功です!」(2006年)を思い出した。2008年には本邦でも映画化されており、残念なことに、日韓の映画製作力の差が明示されることとなった。韓国版は主役に「吹き替えシンガー」という脚色を加え、仕掛けの「全身整形」後に、ブロンディ(Blondie)の「マリア」を歌わせている。コメディとしてのプロット、演出も上々だが、主演女優のキム・アジュンによるキュートでキャッチな歌唱パフォーマンスが観客を吸引する触媒となっている。
「きみはペット」はというと、キム・ハヌルのコメディエンヌ力に期待していたが、ひと昔前のトレンディードラマといった凡庸な感じだった。今日は、雪かきなしで一息。キム・アジュン、ブロンディ、聴いてみようか。

2012年1月29日日曜日

パッツイ・クラインのハンク・ウィリアムス・トリビュート

昨日の大雪で、朝は雪かき。寒波厳しく指が痛い。ここのところ、ハンク・ウィリアムス(Hank Williams)から離れられず、トリビュート続きでCD『タイムレス~ハンク・ウィリアムス・トリビュート』も聴き直す。元々お気に入りだが、今回はライアン・アダムス(Ryan Adams)の「ラブシック・ブルース」を再発見。日本盤なのでライナーノーツ充実していて、これも再勉強、収録曲ごとに歴代のカバー・アーティストを列挙してくれており、探してみたくなったりもする。Lovesick Blues、でも、今一番フィットするのは、コンピレーションCD『 Lost Haighway A Tribute To Hank Williams』パッツイ・クライン(Patsy Cline)バージョンだな。ブルースだけど、明朗で元気なパフォーマンス、楽器編成に懐かしさ、こんなピアノが好き。ロカビリー、ロックにつながる感じがよく分かる。

2012年1月28日土曜日

〈プレイリー・ホーム・コンパニオン〉

マイナス20度以下が連日などと激寒の1週間、昼間も気温が上がらないし。モチベーションを高めようと、ロバート・アルトマン監督の遺作「今宵、フィッツジェラルド劇場で」(2006年)のサントラをかける。映画は「ア・プレイリー・ホーム・コンパニオン」というカントリー系ラジオ番組の司会者による企画・原案という、ステージパフォーマンス付き群像劇。パフォーマンスがカントリー・ミュージックの実際をみせてくれている面白みもあるが、死や終幕を示唆したドラマにもかかわらず俳優が躍動、かつ、カタルシスを提供するアルトマンの職人技にひかれる。
巷の映画館で、アルトマンの1975年作「ナッシュビル」が上映されているのに気づき、調べてみると、DVDも近く発売されることを知る(たぶん初めて?)。TV等での放映もほとんど記憶になっかた作品。しばし、再見を楽しみにしましょうか。

◆追記◆
1975年の〈ナッシュビル〉(2012/05/17)
♪フランキーとジョニー(2012/11/10)

2012年1月23日月曜日

グレン・キャンベルが出演した映画

1週間ほど前に、キネマ旬報のベストテン発表。現時点で鑑賞済みは、邦画が大鹿村騒動記八日目の蝉東京公園モテキマイ・バック・ページ、洋画はソーシャル・ネットワーク英国王のスピーチブラック・スワントゥルー・グリットヒア アフター――と、5本ずつ。生活環境変化で9月くらいから、あんまり劇場に通えず、もう少し観たかったという感じ。ほとんど順位には関心ないですがメルクマールとして。
コーエン兄弟の「トゥルー・グリット」のオリジナル「勇気ある追跡」(ヘンリー・ハサウェイ、1969)はTV録画が残っていたので再見。基本的なプロットは一緒、晩年の味わいが出てるジョン・ウェインの主演で、マット・デイモンが演じたテキサス・レンジャーの伊達男はグレン・キャンベル、たぶん、主題歌もと思ったがメモしていなかった。所々エピソード・演出が違い、中でも、オリジナルのエンディングは仇を討った父の墓を訪れた少女マティ・ロスとコグバーン保安官(ウェイン)の泣かせるやりとり。この味わいを再認識できたのは収穫。
昨日は少し緩んで、今夕からまた寒波ですか。

2012年1月22日日曜日

キティ・ウェルズの♪コールド、コールド・ハート

ハンク・ウィリアムス(Hank Williams)のトリビュート続きで、ちょっと変わったコンピレーションCD『Country Stars Salute Hank Williams』という3枚組。ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)、ビル・モンロー(Bill Monroe)、ウィルバーン・ブラザーズ(The Wilburn Brothers)、レイ・プライス(Ray Price)、マーティ・ロビンス(Marty Robbins)、キティ・ウェルズ(Kitty Wells)、ジョージ・ジョーンズ(George Jones)、アーネスト・タブ(Ernest Tubb)の8人・組による47曲だが、このうち、オリジナル12曲は複数のパフォーマー録音が収録され、「アイ・キャント・ヘルプ・イット」、「ユー・ウィン・アゲイン」と「コールド、コールド・ハート」は3人よって競演され、同一ディスク内でのタイトル重複も辞さないといった編集具合だ。
『 Lost Haighway A Tribute To Hank Williams』と違って、CDタイトル通り基本的にカントリー色濃厚なパフォーマーによる演奏。昭和のノスタルジー彷彿ともいえるが、キティ・ウェルズ、ジョージ・ジョーンズの歌のうまさ、歌唱自体に吸引力があり、またまた、しばし繰り返し聴いている。ちなみに、「コールド、コールド・ハート」は、ジョニー、キティ、ジョージが歌っている。

2012年1月21日土曜日

♪ロスト・ハイウェイの作者

寒気が続く中、ハンク・ウィリアムス(Hank Williams)のトリビュートものを聴き流してきた。コンピレーションCD『 Lost Haighway A Tribute To Hank Williams』は、アルバムとしてかなり気に入っている。パッツイ・クライン(Patsy Cline)、マドックス・ブラザーズ&ローズ(Maddox Brothers & Rose)らカントリー畑のほか、ジェリー・リー・ルイス(Jerry Lee Lewis)、ダイナ・ワシントン(Dinah Washington)、ローズマリー・クルーニー(Rosemary Clooney)、ジョー・スタッフォード&フランキー・レイン(Jo Stafford & Frannkie Laine)、ジョニ・ジェームス(Joni James)、ファッツ・ドミノ(Fsts Domino)など、多彩なジャンルから個性豊かなパフォマーが競演。収録24曲のうち、最初と最後は「コルード、コルールド・ハート」で、それぞれトニー・ベネット(Tony Bennett)、ルイ・アームストロング(Louis Armstrong)の歌唱というのもしゃれている。
さて、「アイム・ア・ローリング・ストーン」の歌詞を含んだハンクの歌唱が、ボブ・ディラン(Bob Dylan)の「ライク・ア・ローリング・ストーン」創作にインスパイアしたとの説がある「ロスト・ハイウェイ」。何気に聞き過ごしてきたが、この曲、オリジナルは作者であるレオン・ペイン (Leon Payne)、コンピレーションCDはレオン自身の歌唱収録であることを発掘・発見してしまった。認識不足。

2012年1月15日日曜日

♪ユー・エイント・ゴーイング・ノーホエア

寒波緩まず、今朝もいたい。ニッティ・グリッティ・ダート・バンド(Nitty Gritty Dirt Band)の『永遠の絆(ウィル・ザ・サークル・ビー・アンブロークン)』のボリュームⅡ(1989年)に戻ってみると、ボブ・ディラン(Bob Dylan)作の「ユー・エイント・ゴーイング・ノーホエア」が収録されているところに今さらながら逆の意味で意外性を感じた。云、ビッグ・ピンク、ベースメント時代の曲であったか。もっとも、パフォーマーはバーズ (The Byrds)のロジャー・マッギン(Roger McGuinn)がメーン。ディランのオリジナルでは『グレーテスト・ヒット第2集』(1971年)か、「マイ・バック・ページズ」、「見張塔からずっと」などもあるし、こちらも聴き直したい気持ちに、、、いわゆるベスト・アルバムではない編集に特徴と意味があったんだね。
ボリュームⅡ、カーター・ファミリー(The Carter Family)3姉妹がそろったサポートによる、ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)の歌唱も感慨深くて繰り返し聴いてしまう。

◆追記◆
□ボブ・ディランの30周年記念コンサート、を拝見(2014/03/20)

2012年1月14日土曜日

♪ダイヤモンドの原石

昨日から真冬本番の寒波到来、日は少しずつ長くなっているのが救い、春が待ち遠しい。ニッティ・グリッティ・ダート・バンド(Nitty Gritty Dirt Band)の『永遠の絆(ウィル・ザ・サークル・ビー・アンブロークン)』のボリュームⅢ(2002年)を聴いていて、ジューン・カーターキャッシュ(June Carter Cash)の「ダイヤモンド・イン・ザ・ラフ」が心に響く。ほとんど晩年の録音だし。ギターはアール・スクラッグス(Earl Scruggs)ですか。ジューンの「カントリー・ゴールド」遺産といえる『プレス・オン』(1999年)も引っ張っぱり出して聴く。ジューンのライフステージから拾ったアルバムジャケットの写真集がサウンドが醸す感慨を助長する。
そう、アルバムタイトルを示唆する「ダイアモンド・イン・ザ・ラフ」はオリジナルのカーター・ファミリーのナンバーなんだよね。手持ちのCDを探してみたが、オリジナルバージョンは発見できず。これも聴いてみたいものです。

2012年1月9日月曜日

♪フォギー・マウンテン・ブレイクダウン

今朝はマイナス9度、今冬最低だった昨日のマイナス20度を経験しただけに少し緩んだ気もするが、まだまだ寒気の最中。マ-ル・トラヴィス(Merle Travis)の「ダーク・アズ・ア・ダンジョン」に導かれて、ニッティ・グリッティ・ダート・バンド(Nitty Gritty Dirt Band)の『ウィル・ザ・サークル・ビー・アンブロークン』(1972年)にもどる。やっぱり、よいなぁ、名演づくし。マール、ロイ・エイカフ(Roy Acuff)、ジミー・マーティン(Jimmy Martin)ら大御所の競演もあるが、アール・スクラッグス(Earl Scruggs)作の「フォギー・マウンテン・ブレイクダウン」も収録。今さらながらだが、この曲ってアメリカン・ニューシネマの嚆矢「俺たちに明日はない」(1967年)のサウンドトラックだったよね。
アメリカン・ニューシネマで育った世代として、バンジョーの小気味よい感じは記憶しているが、初めて見た当時はカントリー&ブルーグラスのミュージシャンまでは意識していなかったなぁ。ジャズやクラシックと映画の関係を説いた本邦の書籍は多々あるけど、カントリー・ミュージックと映画では、西部劇などを除くとほとんどないような気がする。この辺も整理して勉強してみたいものです。

2012年1月8日日曜日

♪ヘイ、グッド・ルッキン

『Bob Dylan's Country Selection』、オリジナルパフォマー別ではハンク・ウリアムス(Hank Williams)9曲、ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)5曲、ハンク・スノウ(Hank Snow)4曲、ジミー・ロジャース(Jimmie Rodgers)とスタンリーブラザーズ(The Stanley Brothers)が3曲ずつなどの収録。むべなるかなの印象。カーター・ファミリー(The Carter Family)は2曲で、「ウィル・ザ・サークル・ビー・アンブロークン(バイ・アンド・バイ)」はロイ・エイカフ(Roy Acuff)盤となっている。
ハンク・ウリアムス原詞の音楽復刻により、昨年発売されたCD『The Lost Notebooks Of Hank Williams』に中心的に関わったディラン。これは意外性あり。セレクションのノーツによると、ハンクの「ヘイ、グッド・ルッキン」も1回限り披露したことがあるのだそう。セレクションのディランパフォーマンスを並べて聴いてみたくなる衝動がもたげる。また、鈴木カツ氏の著書によると、ディランは最近、カーター・ファミリーのトリビュート企画を温めているとのこと。こちらも楽しみである。

2012年1月7日土曜日

『ボブ・ディランズ・カントリー・セレクション』

ネット上で「こんなのあるんだ」と何気なくみつけて発注し年末に届いたCD2枚組『Bob Dylan's Country Selection』、ディランが録音したりツアー等のカバーパフォーマンスで取り上げた、カントリークラシックのオリジナルバージョン集という趣向。カントリーを集中して聴き始めたのは最近で、ベスト盤やトリビュート盤的なものが多くなっていたが、その意味でこの企画はカントリー・ミュージックの秀逸なベスト盤となっていることに感激した。
鈴木カツ氏の『ボブ・ディランのルーツ・ミュージック』プラスアルファで、ディランのカントリー渉歴がみえてくる。全42曲の解説付き(輸入盤なので英文)もありがたい。カーター・ファミリー(The Carter Family)の「リトル・モーゼス」、マーティ・ロビンス(Marty Robbins)の「エル・パソ」など意外に思える曲も多々、今現在、オリジナルとしてのマ-ル・トラヴィス(Merle Travis)の「ダーク・アズ・ア・ダンジョン」にしびれている。これも炭鉱ソング?

2012年1月4日水曜日

キャリー・アンダーウッドのゴスペル

そういえば、最近のディズニー映画「魔法にかけられて」(2007年)の挿入歌にはカントリー系、キャリー・アンダーウッド(Carrie Underwood)の歌唱が採用されていた?この映画でお姫様を演じたエイミー・アダムス、キャラクター然として生気が抜けて照れや気負いのない感じがよかったなぁ。それからすっかりマイフェヴァレット、注目の女優に。
今朝は雪かきの後、グランド・オール・オプリーでのゴスペル演奏集を聞いているところ。キャリーの「ハウ・グレート・ゾウ・アート」、これも相性がよい。どうも、わが国では「ゴスペルは黒人音楽」のような思い込みがなきにしもあらずか、白人系が歌うとナショナリズムの鼓舞と受け取る向きになる。でも、カントリー・シンガーの歌うゴスペルって、やっぱり心性(信仰より広い意味で生活感覚部分の心持ちも含め)と伝統がある。歴史を踏まえつつ聞いてみたいものである。

2012年1月3日火曜日

♪ベイビー・マイン、ジャンボの想い

「ベイビー・マイン」、ディズニーのアニメーション映画「ダンボ」の挿入歌で、母象・ジャンボの想いを唄う。コンピレーションCDではアリソン・クラウス(Alison Krauss)が歌唱。よく知った曲と思っていたが、考え直して、スタンダードといえるほどカバー録音は手元に発見できなかった。歴史的なサウンドトラックであることには違いないと思う。
フィドラーでもあり、十代から活躍してきたアリソンの魅力はアコースティクにフィットする感性を伴った美声。かなり以前、TV放映でライブをみた印象で失礼ながら田舎(カントリー)っぽい容姿と拝見、そこにも土地に根差した音楽を感じたりして。現在は40歳くらい?アルバムジャケットなど、その後、随分とあか抜けてきたようにみています。

2012年1月2日月曜日

♪サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム

「いつか王子様が」は、デイブ・ブルーベック、ビル・エヴァンス、マイルス・デイビス、キース・ジャレット等々と、ジャズ大御所の録音による多彩な解釈で知らるスタンダード、これくらいになってしまうと、戦前のアニメーション「白雪姫」のオリジナル挿入歌を知らないひとも多いのかも。
カントリー歌手によるディズニー・コンピレーションCDでは、タニヤ・タッカー(Tanya Tucker)が歌唱。ガラ声に特徴、パワフルで元気に満ちたパフォーマンスは、(希望の?)新年の早朝に馴染んで気持ちよい。

2012年1月1日日曜日

♪サークル・オブ・ライフ

新年、モチベーションを整えるため、カントリー&グルーグラスのミュージシャンたちによるディズニー楽曲集から聴き始める。基本的に相性がいいよね。「ライオン・キング」の「サークル・オブ・ライフ」って、「ウィル・ザ・サークル・ビー・アンブロークン」の返歌なんだね。(残念ながら現在まで、映画もミュージカルもみていなかった。)一方で、「ウィル・ザ・サークル・ビー・アンブロークン」はカーター・ファミリー以前のゴスペルとしての前史があるわけだから、国民性に根ざした文化というのは本当に奥が深い。もっと分かりたいと思わずにはいられないのだが、、、