2013年12月30日月曜日

《素晴らしき哉、人生!》

『素晴らしき哉、人生!』という本をクリスマスを過ぎた先日、店頭で見つける。もちろん、フランク・キャプラ監督の「素晴らしき哉、人生!」(1946)の関連本で、フォーインという出版社から出ている名作映画完全セリフ音声集/スクリーンプレイ・シリーズの166番目。2013年2月が初版ということで、キャプラ復興の余波はこんなところにもと嬉しくなる。TV放映で視聴した「オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史」での、フランク・キャプラへのクローズアップ(2013/09/05記)に続いてってところだけど。
このスクリーンプレイ本、昔の同種のものに比べると、コラムその他なかなか充実しているなぁとお見受けする。例えば本筋以外のところで、あんまし一般の邦人の気には止まらないだろうなと思われる劇中ソングで聖歌の「ハーク、ザ・ヘラルド・エンジェルズ・シング」(2012/12/22に私見、もう1年も前に!?)や大衆歌謡の「バッファロー・ギャルズ」(2013/08/01に私見)への言及とか、さすがである。とりあえず、一読してみることに。

◆追記◆
コラムには、2010年にニューヨーク州セネカ・フォールズに「イッツ・ア・ワンダフル・ライフ・ミュージアム」が開設されたとのニュースも。キャプラが劇中の街、ベットフォード・フィールズのモデルとしたとの説に基づくプロジェクトで、それも何と、主人公ジョージ・ベイリーの娘・ズズを演じたキャロライン・グライムスの協力によるものだとか。この辺り、少しく詳しく知りたいところだ。

2013年12月29日日曜日

次もジョニー・キャッシュのクリスマス・アルバム

ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)、前作があまりにフィットしたので、ネットでピックアップできたCD『ザ・クラシック・クリスマス・アルバム』へ、11枚目。16のトラック、これはある程度の楽曲クレジット情報が付いているので、1963年、1972年、1980年の各年にリリースされたジョニー・キャッシュの3枚のクリスマス・アルバムからのコンピレーション版であることが分かる。クリスマスらしさ、キャッシュおよびカーターの親しみが募るファミリー版であるとともに。もちろん、「リトル・ドラマー・ボーイ」もあり。ちなみに、ジョニー・キャッシュによるオリジナルのクリスマス・アルバムは4作あるらしいが、これでほぼ、半分程度を聴けることになったわけだ。

2013年12月16日月曜日

ジョニー・キャッシュのクリスマス・アルバム

今シーズンは9枚で打ち止めかと思い込んでいたら、いやいやまだまだ。ジーン・オートリー(Gene Autry)やエヴァリー・ブラザーズ(The Everly Brothers)以上に切望していたジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)の『クリスマス・アルバム』が10枚目に。このCDは欧州輸入盤との事前情報があってコンピレーション版と思いきや、聴きながら調べてみるとジョニー晩年にして最後のクリスマス・アルバム『ジョニー・キャッシュ・カントリー・クリスマス』(1991年)をベースにしたものらしい。オリジナル盤13曲にプラスして、冒頭の「ホワイト・クリスマス」、エンディングに「アイル・ビー・ホーム・フォー・クリスマス」があしらわれた仕様で、なるほど、この2曲はカントリー・コンセプトとはちょと違うかと思ったり。
このCDには曲目に関する若干のクレジットはあるが、メーンのジョニー以外のパフォーマーに関する記載がほとんどない廉価盤仕様なのは至極残念。だけど、多くのパフォーマンスはジューン・カーター(June Carter)かつカーター・ファミリー(カーター・シスターズ)とのコラボレーションであることに歓喜!!してしまう。今年はジョニーカーター・ファミリーとも一段と聴いてきたので、まさに締めくくりの感じで。このゴールデン・ファミリー・ユニットにして、それなりに晩年・老成時のものであるかと思わされ感慨もひとしお。「フィギィ・プディン(イチジクのプディング)のクレジットは一般に「ウィー・ウィッシュ・ユー・ア・メリー・クリスマス」として知られる曲で、カーターシスターズ・アレンジが施され、齢を重ねたが快活で茶目っ気のあるジューンのはじけ方とアニタ(Anita)のビューティフルでクリーンなで嫌味のない歌声が楽しめる面白い録音、あらためてアニタ、よいよね。これかなり気に入ってしまった。今季最上級のフェイバリット・パフォーマンスといえるかも。
選曲はクリスマス・クラシックスまたは定番の讃美歌がベースになっているのも気になるような。これまでジョニーのクリスマス・ソングで最も好きだったのは「リトル・ドラマー・ボーイ」であったが、これは未収録。

2013年12月13日金曜日

ジーン・オートリーのクリスマス・アルバム

ジーン・オートリー(Gene Autry)のクリスマス・アルバムってないかなぁと、探してみたら、プライスレス・コレクションという廉価企画CDなのか、見つける。確かオリジナルのシンガーだったと思う「フロスティ・ザ・スノーマン」、「サンタ・クロースがやってくる」、「赤鼻のトナカイ」の3曲を含め17のトラック。なるほど、これらのセレクションとパフォーマンス、現代に続くクリスマス・ソング歌唱の基本的なもの(要素)が入っているなぁと感心してしまう。パフォーマンスの質はカントリーというよりポップだろうか。
今シーズンの封切りアルバムは、これで9枚目。あとは繰り返しとセレクトで聴き込んでいくことに。

2013年12月8日日曜日

『ノエル』

8枚目はジョーン・バエズ(Joan Baez)の『ノエル』。オリジナルは1966年の録音ということで、ずっーと以前から気にかけていて、やっと今回、CDを入手。オリジナルは17トラック、CD盤で6つのボーナストラックが加わり、しかもリマスター版であるというが、正直、音としては満足できなかった。若いバエズではあるけれども。クラシック、トラディショナル中心の選曲だけど、ちょっとレアな曲とか、バエズ得意の多言語を交えてというところが聴きどころか。アルバムタイトルが仏語だし、「アウェイ・イン・ア・メインジャー」は英仏バージョンあり、「オー、ホリー・ナイト」は独語でね。

2013年12月2日月曜日

「すべては君に逢えたから」

しばらく映画館が遠ざかっていたのと、時間潰しの必要ができたので、まさに飛び込みで「すべては君に逢えたから」(本木克英監督)。事前情報なしのスタートで始まってみると、クリスマス・シーズンにありがちな群像劇と分かり、つかみどころのなかった登場人物たちが時間経過とともに若干の絡みをまみえつつ、クリスマスらしい予定調和のドラマとして収束した。群像劇というよりオムニバスかな。ああ、若手の女優陣ってほとんど見覚えないなぁ、邦画って主演格は代替わりしちゃったの???とか思い巡らしているうちに。そうか、小さな洋菓子店でバイト、恋愛独り相撲の女子大生は本田翼だったか、「江ノ島プリズム」(吉田康弘監督)の。そういえば「江ノ島プリズム」を観たのも似たようなシチュエーションからだったね。
少しく感想。東京駅に因んだアイディアは及第点。でも、クリスマス映画としてこの作品が扱っているのは、「クリスマスって何の日?」という視点でのオーソドックス・アプローチのうち一つは満たしている(評価している!エンターテイメントとして、)けど、信心に欠けていて、宗教性というもう一方の要素を満たしてなく、随分と軽い印象は何故と考え込んでしまう。この映画でも児童福祉施設を運営している団体がキリスト教系だという形をなぞったが、宗教的な動機付けは示されない。わが国でクリスマスが描かれた映画一般にいえそうなことであるが。これって、クリスマス・ソング愛聴者としては、邦人ミュージシャンのクリスマス曲パフォーマンスにも同様のモチベーションを類推したり。昨今、無意味に2時間超の冗長な映画が大量生産される中、1時間46分、まあ時間消化映画としてはちょうどよかったのだけれども。

「すべては君に逢えたから」の評価メモ
【自己満足度】=★★★☆☆
【お勧め度】=★★★☆☆