2012年8月28日火曜日

やはり、季節の変わり目にはCCR

北海道も残暑、っていうか、今季、最も暑い日が続く。もうそこまで秋が来ていると思うのだが。
オデッタ(Odetta)を聞き流して、「コットン・フィールズ」、「ミッドナイト・スペシャル」といったレッドベリー(Leadbelly)つながりで、またまた、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(Creedence Clearwater Revival)にもどってくる。季節と身の回りの変わり目であり、私にとってはモチベーションを整える景気付けの儀式に。

2012年8月21日火曜日

「桐島、部活やめるってよ」

夏休みは、お子様メニューが中心で選択肢が限られる中、「桐島、部活やめるってよ」(吉田大八監督、2012)。スクリーン鑑賞は基本、事前情報を入れないで臨んできて今回も然り。気分よく見終えられた、が結論であるものの、いろいろ考えるところが残ったのも確か。あるいは、そのような映画的脚色と翻案が加えられていた、ということか。
例えば、複数の視点で同じ時系列を繰り返すなどといった手法により青春群像劇としては、多義性を醸す心理描出に成功している。
原作は小説だというが、フジカシングル8による撮影に興じる映画部により主軸を置いたプロット展開で構成しているあたり、この監督も自主製作世代か(私はたぶん本作が初鑑賞)。古くは大林宣彦監督、近年は特に岩井俊二監督系等において、自主製作体験を通した物語描出が試みられるが、この映画の高校生はジョージ・A・ロメロ発のゾンビ偏愛で、絵に描いたような「映画オタク」として提示される。スティーヴン・スピルバーグ製作の「スーパーエイト」(J・J・エイブラム監督、2011)でも、ゾンビだった。ゾンビの波及力、増殖力、恐るべしである。
観ながら気になって考えたのは、時代設定かな。映画部の撮影機材は、たぶんシングル8のZXM500。フィルム生産終了は2009年?校舎と近隣の雰囲気はちょっと昔っぽいが地方都市のせいか(ただし、ことばは首都圏風?)。でも携帯電話普通に使っていたし、映画部員のアイドルは「満島ひかり」らしいし、2010年にはなっていない、まあまあ現代ってことなのかな。
あと、今どきの話題としてティーンエイジャーのいじめが起こっている心理環境を彷彿。大人目線で、「そんな小さな社会空間で。学校だけが社会ではない」といわれる、その壺の内での心持ちの行き詰まりが、よく表現されています。

「桐島、部活やめるってよ」の評価メモ
【自己満足度】=★★★★★
【お勧め度】=★★★★☆

2012年8月17日金曜日

ザ・ハイウェイメン

『The Perfect Country Collection』の25タイトル目として、ザ・ハイウェイメン(The Highwaymen)の1986年リリースの『HIGHWAYMAN』にたどり着く。この4人の顔のアルバム・ジャケットと何とはなしに記憶していたものの、ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)、ウェイロン・ジェニングス(Waylon Jennings)、ウィリー・ネルソン(Willie Nelson)、クリス・クリストファーソン(Kris Kristofferson)による、カントリー・ミュージックのスーパー・ユニットであったことに感激してしまった。
かといって、収録楽曲は力みがなくバランスよいパフォーマンス。ウィリーの声も若く伸びがあって、感じよい時代のもの。キャッシュ作品ならではの独特のリズムと物語りが際立つ「ビッグ・リバー」、4人で分かっているもよし。

2012年8月15日水曜日

再び、♪ファーザー・アロング

25タイトルのCDボックスセット『The Perfect Country Collection』、半年少々かけて傾聴して、未消化分もわずかに。本日はブラッド・ペイズリー(Brad Paisley)は2003年の『Mud on the Tires』というアルバム。ニコール・キッドマンはキース・アーバンと結ばれ、レニー・ゼルウイガーはケニー・チェズニーとの浮き名が聞こえていたのをはじめ、男性カントリー・ミュージシャンにも美形が多いと納得させてくれる好例のブラッドである。
このコレクションでは極めて最近のアルバムでサウンドに新規さがあるわけでないものの、シブさを併せた聡明な楽曲群に、まずまず納得。アリソン・クラウス(Alison Krauss)と共演「ウィスキー・ララバイ」のオリジナルはここだったのかと、ちょっとニンマリ。そして、エンディングは、またしてもカントリー・ゴスペル「ファーザー・アロング」、現代にも生きているカントリーならではのアルバム編集に感心してしまう。この演奏も気に入りました。

2012年8月9日木曜日

オデッタがうたう歌

スタンリー・ブラザーズ(The Stanley Brothers)をなかなか離れられず、本日からやっとオデッタ(Odetta)。これも1956年から1960年までの7アルバム+ラジオ音源(?)を4CDに収録した海外廉価版。スタンリーズ同様、こんなにもまとめて聞いたたのは初めて。図太さが魅力の個性に満ちたボーカルとギター・パフォーマンスはもちろん、取り上げられている楽曲(ソング)の数々は、アメリカン・ルーツ・ミュージック好きにとって興味がつきないものばかり。これまで別のアーティストで聴取してきた中からも、先駆者・レッドベリー(Leadbelly)採録の「オールド・コットン・フォールズ・アット・ホーム」や「ミッドナイト・スペシャル」、「テイク・ディス・ハンマー」、ヒルビリー系の「ダーク・アズ・ア・ダージョン」や「ミュールスキナー・ブルース」、スピリチャル発でも「サムタイムス・アイ・フィール・ライク・ア・マザーレス・チャイルド」と「マザーレス・チルドレン」の両方、「ウィル・ザ・サークル・ビー・アンブロークン」の元歌「グローリー、グローリー」、さらにブルースもあり、収録一曲一曲の素性を明かしてみたい衝動に駆られ、真に私にとってタイムリー。
1960年代に隆盛を迎えた米国のフォーク・リバイバルで一翼を担っていたと聞いているが、本邦での知名度はジョーン・バエズ(Joan Baez)やジュディ・コリンズ(Judy Collins)に比べると格段に低いのでは?ジョーンやジョディのパフォーマンスはフォークを標榜しつつ、清廉されてソフィストケイトともいえるにのに対しオデッタは対極。「フォーク・シンガー」といっても、これだけコンセプトが異なるのはバック・ボーンに主因か。レッドベリー同様、ブラックなブルースの血脈を醸しだす。
スタンリー・ブラザーズとの共通点は、やはり、ボブ・ディラン(Bob Dylan)が無名時代から好んで聞いていたとのことである。

2012年8月2日木曜日

スタンリー・ブラザーズ

ネット社会の進展で、商業音楽界におけるメディアの意味合いの変化が著しいものの、アルバムやコンピレーション企画でLPやCDに馴染んできたので、おのずと歴史的な録音を志向する。減少・縮小しているCDショップの店頭では、海外製作による名作アルバムの復刻やテーマ編集などの廉価版ボックス・セットに、いつも目が留まり、先日はスタンリー・ブラザーズ(The Stanley Brothers)とオデッタ(Odetta)に食指が動いてしまった。
スタンリー・ブラザーズは、1958年から1960年までの8つのアルバムを4CDに収録(ちなみに、これで1,000円)。これまで、こんなにもまとまって聞くことはできていなかったものの、この古そうで新しいブルーグラス・デュオのパフォーマンスにピタリとはまり、魅せられてしまった。この間のテーマ「ホワイト・ゴスペル」として、数々のヒム、セイクリッド・ソングが入っているのも嬉しいところ。
ボブ・ディラン(Bob Dylan)はスタンリー・ブラザーズをリアル・タイムで聞いていて、相当のファンらしい。にわかにつながらないものの、この関係も思い出しつつ、聞いているところ。