2011年11月29日火曜日

♪アイル・ビー・ホーム・フォー・クリスマス

ホリーコール(Holly Cole)って、イメージと違うけど、1995年のトロントライブのほかに、1991年にミニアルバム、2001年には『聖夜の物語(Baby, It's Cold Outside)』とクリスマス企画好きだ。好みの問題でしょうが、私はトロントより、ストリングスが薄くオリジナルのトリオが浮き出ている聖夜の方を愛聴している。
冒頭「クリスマス・タイム・イズ・ヒア」、あらためて、いい感じ。「クリスマスを我が家で」は、ドリス・デイ(Doris Day)の「センチメンタル・ジャーニー」などと同期の楽曲で、オリジナリティとしては大戦が終結した当時のモチベーションを醸している。かつて、東京でサラリーマンだったころ、このシーズン、街角でこの曲を耳にするにつけ、ノスタルジーとともに、相対して「今、ここで生きている」ことを実感していたことを思い出す。ホリーの陰な歌唱、けして気持ちが下向くわけではない。

2011年11月28日月曜日

讃美歌をうたうロックバンド

本日は好天。陽気に12月を過ごそうというなら、シカゴ(Chicago)のクリスマスアルバム『シカゴ25』(1998年)に限る。14の収録曲中、書下ろしもあるが、大半はトラッドもしくはオルードスタンダードといえる人口に膾炙した楽曲が占める。ブラス・ロックバンドであるにもかかわらず(ならではの?)ボーカルが光るアレンジで、つられて歌いたくなるパフォーマンスが特徴。讃美歌の「ゴッド・レスト・イェ・メリー、ジェントルメン」、「オー・カム・オール・イェ・フェイスフル(アデステ・フィデレス)」など、300~400年の歴史を持つ古謡にはとりわけ、その息の長さの意味も合わせて感慨を覚える。
ロックミュージシャンはオリジナル志向が強いせいか、クリスマススタンダード企画が相対的に少ないよう。シカゴは「ウィンター・ワンダーランド」、「スレイ・ライド」など新たな録音を加え再編集した20曲盤も発表(2009年くらい?)、他ジャンルとの聴き比べも楽しい。

2011年11月27日日曜日

トリビュート・トゥ・キャプラ、もう一つのクリスマス映画

久々の劇場スクリーンで「ステキな金縛り」(三谷幸喜監督)を鑑賞。フランク・キャプラの「スミス都へ行く」「素晴らしき哉、人生!」を引き合いにしたシーンがあった。コメディ研究家としての三谷監督によるオマージュ表現だろうが、映画の方はスターキヤストが祟ってか冗長感が否めなかった(深津絵里は感じよい)。笑いやプロット展開の仕掛けは豊富に用意されているものの、貫かれた心(ハート)に欠ける分、カタルシスも感じられないのが「三谷喜劇映画」の近作に共通していると感じてる。
キャプラのトリビュートものでは、「ポケット一杯の幸福」をリメイクした、ジャッキー・チェンの「ミラクル/奇蹟 」(香港1989年)が思い浮かぶ。「もしも昨日が選べたら 」(米2006年)や「天使のくれた時間」(米2000年)はパブリシティこそないが、明らかに「素晴らしき哉、人生!」の焼き直し。クリスマスへのフォーカスが共通した後者は、ニコラス・ケージと共演したティア・レオーニの美貌とキュートさに目を奪われるだけでなく、ウエルメイドな出来栄えに満足できる。

2011年11月26日土曜日

♪昔聞いた歌

スタンダード好きを自覚するに至ったのは、ウディ・アレン映画のおかげだと思っている。中でも「ハンナとその姉妹」(サントラ盤)は教科書になった。ハリー・ジェイムスwithヘレン・フォレストの「アイブ・ハード・ザット・ソング・フォー」の艶光る導入でノスタルジックに胸踊らされるたび、映画の記憶がよみがえる。、ロレンツ・ハート&リチャード・ロジャース、コール・ポーター、ジョニー・バーク&ジミー・ヴァン・ヒューゼンらの曲が並ぶ。老優カップルを演じたモーリン・オサリバンとロイド・ノーランによる「ビウィッチド」の劇中歌唱はセリフに代わる関係性と空間演出として成功、和むパフォーマンスとしても十分鑑賞に値する。ウディ映画の音楽担当は、ディック・ハイマンが常。「イット・クッド・ハプン・トゥー・ユー」、「ポルカドッツ・アンド・ムーンビームス」、「アバロン」、「ジャスト・ユー、ジャスト・ミー」のピアノメドレーに、スタンダード演奏の極意が見える。

2011年11月25日金曜日

サンクスギビング

そうでした。11月の第4木曜日、昨日が米国では感謝祭。この祝日、われわれ日本人にはイメージしづらいが、米国産映画をみていると、クリスマス・年末年始前に、米国人が家族やごく親しい人と過ごす休日として、よく目にする。「エイプリルの七面鳥」(ピーター・ヘッジズ監督・脚本、2003)は、ソリが悪かったものの、病で余命が限られた母親を、娘・エイプリル(ケイティ・ホームズ)が感謝祭に歓待しようというプロット。ターキーの仕込みに奮闘するも四苦八苦、何と手助けしてくれたのは、同じアパートメントの中国移民の一家(現在とはイメージ違うか?)という伏線で、エイプリルが一家に「感謝祭」のいわれを説明するにつれ、感謝祭本来と意味合いと現在進行のドラマがシンクロするコメディだった。
ウディ・アレンの「ハンナとその姉妹」(1986)もドラマ展開では、感謝祭が起点、重要な日となっていたと記憶しているが。

2011年11月24日木曜日

〈アバウト・ア・ボーイ〉

「素晴らしき哉、人生!」「三十四丁目の奇蹟」がクリスマス映画のクラシックとするなら、「アバウト・ア・ボーイ」(クリス&ポール・ワイツ、2002)はコンテンポラリーの佳作だ。もっとも、亡父の遺産でぐうたら暮らしている中年男(ヒュー・グラント)を中心に展開するラブ&ヒューマンコメディで、クリスマスへのフォーカスは、遺産の源が「一発当てたクリスマス・ソング創作の著作権料」であるということくらいか。
知り合ったエキセントリックな母子との三角形を構図とする、ヒュー、お得意の役どころ。米国産だがコメディの作劇は英国風味。3Dをはじめとした大作もの隆盛に食傷している昨今、「暇つぶしで」あるは「気分転換」で見られる、こんな映画に飢えている。
あっ、そうでした脚本は「エイプリルの七面鳥」(2003)のピーター・ヘッジズ 。この映画も祝祭日もの、「感謝祭には何故、七面鳥を食すのか」を反芻しつつ、相当いい味が堪能できる。

2011年11月23日水曜日

〈イッツ・ア・ワンダフル・ライフ〉

アメリカ人が好きな映画ベストワン、クリスマスに家族で観る映画として本邦でも知られるようになったフランク・キャプラ「素晴らしき哉、人生!」が第2回「午前10時の映画祭」で上映されており、ウェブ上のレビューを散見すると相応の評価を得ているようだ。加えて、10月には日本では初の評伝という『素晴らしき哉、フランク・キャプラ』(著作・井上篤夫氏)が集英社新書として発売されたのもうれしいことだった。
イタリア移民・キャプラがアメリカおよびハリウッドでの半生で得た信条が色濃く反映された「素晴らしき哉、人生!」。ジェームズ・スチュワート以下の絶妙なキャステングに脂ののったキャプラ演出が相乗効果を醸しているものの、1946年公開時は興業的成功が得られず、その後の受け入れられ方は、まさに、この映画のストーリーをなぞった神話にも思える。そのほか、大衆と民主主義システム、メディア機能の描写などキャプラ作品の多くは現代の日本人にとって示唆に富んでいると思う。
井上氏の書籍でも指摘されているよう、スピルバーグらハリウッドの諸巨匠、あるいは、小津をはじめとしたサイレント期からの邦人監督にもキャプラの影響は明らか。自伝の邦訳がないのに加え、特にこの数十年来、日本での評価は希薄であったのは残念なこと。井上氏には感謝とともに新たなワークも期待しています。
札幌のシネコンでは来月上旬の上映ですか。

◆追記◆
トリビュート・トゥ・キャプラ、もう一つのクリスマス映画(2011/11/27)
♪ハーク、ザ・ヘラルド・エンジェルズ・シング(2012/12/22)
♪バッファロー・ギャルズ(2013/08/01)
《素晴らしき哉、人生!》(2013/12/30)

2011年11月22日火曜日

♪サンタ・ベイビー、ってどう?

キャロル・キング(Carole King)『A Christmas Carole』テイラー・スウィフト『THe Taylor Swift Holiday Collection』ヘイリー・ロレン(Halie Loren)『クリスマス・コレクション』エミリー・クレア・バーロウ(Emilie-Claire Barlow)『ウィンター・ワンダーランド』リアン・ライムス(LeAnn Rimes)『ホワット・ア・ワンダフル・ワールド』5枚まできて、すべてのアルバムに共通する録音が「サンタ・ベイビー」であることに気づいた。それぞれに個性的な彼女ら、この選曲の意味に興味が沸く。
スタンダードとの認識はなくて、ライナーノーツによると1950年代のヒット作。ホリー・コール(Holly Cole)の1995年録音『サンタ・ベイビー~ライヴ・イン・トロント』で記憶はしていたが、これほどまでの浸透は彼女の影響か。ホリーも結構お気に入りのシンガー。正直、この曲に限っては、女性シンガーが戯れに唄うような歌詞に意味を感じないのか、どのバージョンを聴いてもそのよさが分からない(気持ちがハマらない)。マドンナ(Madonna)バージョンも知られているというが、聴いた記憶はないですなぁ、、、

2011年11月21日月曜日

2004年の♪ホワット・ア・ワンダフル・ワールド

寒波到来。リアン・ライムス(LeAnn Rimes)の『ホワット・ア・ワンダフル・ワールド』は2004年だったか。親しみやすさを兼ね備えた歌のうまさが際立つリアンのクリスマスアルバムで、タイトル曲は6番目に収載。サッチモ歌唱の「グッドモーニング、ベトナム」(1987年)での挿入に驚愕を覚えたものだが、リアンの歌唱は対照的な意味で驚きと覚醒を与えてくれた。
そして、2008年の「エルヴィス・プレスリーとのデュエット」による「ヒア・カムズ・サンタ・クロース(サンタ・クロースがやって来る)」。これも大のお気に入りに。ほか、マルチナ・マクブライド(Martina McBride)らと共演は計10曲(全13曲)が収載された「エルヴィス・クリスマス・デュエット」、やっぱり、エルヴィスはカントリー系と相性がいい。クリスマス、師走から年末を楽しく過ごすならこれ。

2011年11月20日日曜日

♪何している? 大晦日は

才色兼備の女性シンガーってカナダ産が多いと再認識させてくれたエミリー・クレア・バーロウ(Emilie-Claire Barlow)。2007年のクリスマス・アルバム『ウィンター・ワンダーランド』(日本盤)も、素直なジャズフィーリングがボーカルに発散され心地よい時間が提供される1枚だ。録音は前後しているだろうが、ヘイリー・ロレン(Halie Loren)より少々年長か。しかしながら、エミリーにはジャジーとキュートさが同居、陽気で品のあるパフォーマンスに楽しさがある。
出だしの「ホワット・アー・ユー・ドゥーイング・ニュー・イヤーズ・イヴ」がアルバムコンセプトを決め、逆に、この曲自体の魅力を知らしめている。ジャズアルバムならではのヴァースからの引導に納得。チャーリー・ブラウン発の「クリスマス・タイムズ・イズ・ヒア」はボーカルセンス光るかなりいい感じ。コミカルに崩して歌われることが多い「ベイビー、イッツ・コールド・アウトサイド」、「アイブ・ガット・マイ・ラブ・トゥ・キープ・ミー・ウォーム」などの歌唱に、プロデュース・アレンジも手がけたというエミリーらしさが感じられる。
本日は午後から雪かな。

2011年11月19日土曜日

♪クリスマス・リスト

今日は雨。昨年、私のクリスマスアルバム愛聴盤リストに加わったCDに、ヘイリー・ロレン(Halie Loren)&マット・トレダー(Matt Treder、ピアノ)の『クリスマス・コレクション(Many Times, Many Ways: A Holiday Collection)』がある。パフォーマンス自体が期待しているような「美人ジャズシンガー」で、今日のようなどんよりした空気と時の流れにマッチし、かといって憂鬱ではない。日本版12曲中6曲目がクリスマス・スタンダードの中では最も近年といえる、スーパーヒットメーカー、デヴィッド・フォスター(David Foster)が創作に加わった「グロウン・アップ・クリスマス・リスト」。20代の若さと思うけどしっかり・しっとりしたヘイリーのボーカルは楽曲のよさが分かるかなりいい感じ。ナタリー・コール(Natalie Cole)がオリジナルだったか、その他ちょっと聴き比べがしたくなる。
「ザ・クリスマス・ソング」で始まり、「クリスマス・リスト」から7曲目「ホーム・フォー・ザ・ホリデイズ」への移行、「ハブ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」など選曲趣向と演奏のコンセプトが一貫して心地よい。

2011年11月18日金曜日

昨年のクリスマス、アルバムでは

今朝も冷え込み、活動開始は気が重ため。昨年入手のクリスマス・アルバムでお気に入りの1枚は『THe Taylor Swift Holiday Collection』。「若手カントリー・シンガー」売れっ子の筆頭といえるテイラー・スウィフト、全6曲のコンパクト作であるがオリジナル2曲を含め充実。ジョージ・マイケル(George Michael)の「ラスト・クリスマス」でスタート。ポップ畑の定番だがカントリー系では稀? テイラーの魅力はやはり声質と「若さ」、元気を分けてくれる。いい感じ。
リアン・ライムス(LeAnn Rimes)を例に出すまでもなく、何故か米カントリー界では若さ・美貌と実力を兼ね備えた魅力的な女性アーティストが次々と登場してくる。ルーツがたどれる地域性およびナショナリティがあるカントリー・ミュージック・シーンについて、ポピュラー音楽の中でのポジションに関心を覚える。ちなみに、テイラーは10代そこそこでプロとしてカントリー歌手を志し、家族ともどもナッシュビル近郊に移り住んできたのだとか。
「サイレント・ナイト」、「ホワイト・クリスマス」の超定番もキュートな歌唱で聴かせてくれる。

2011年11月17日木曜日

♪ドゥ・ユー・ヒア・ホワット・アイ・ヒア?

早朝に今季初の積雪を観測。寒波かと震えながら、キャロル・キング(Carole King)『A Christmas Carole』の10番目のトラックは「ドゥ・ユー・ヒア・ホワット・アイ・ヒア」。スタンダードとしては比較的新しい1960年代の仏人作と記憶しているが、仏語バージョンは聴いたことがないような、、、。このキャロル(祝歌)は敬虔さと神秘主義?を帯びた歌詞が印象的、ゴスペルシンガーのパフォーマンスが最もよくフィットする楽曲として、ここ2~3年、傾聴度が高まったお気に入りである。
ほかのバージョンも探してみよう。

2011年11月16日水曜日

♪ハブ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス

気分が晴れない日が続いた2011年であったが、いよいよクリスマスシーズン、新譜第1弾としてキャロル・キング(Carole King)の『A Christmas Carole』を入手した。冒頭は「マイ・フェヴァレット・シングス」と工夫がみられる編成ながら、収載12曲の多くは私好み定番ナンバーでまずまず満足。定番中の定番「ハブ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」は7番目に。この曲はエラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)のノリノリのスウィング、しっとりと歌い上げるダイアナ・クラール(Diana Krall)などジャズ系の歌唱を愛聴してきたがキャロルも及第点、マインドを上向きにさせてくれた。
スタンダードのよさは、聴き比べでアーティストの個性が際立つところ。逆に、アーティストの卓越したパフォーマンスで「スタンダードの味わい」を認識させてくれること。
今シーズンはこの1枚から聴いていきます。

2011年11月15日火曜日

♪北国の少女

ロザンヌ・キャッシュ(Rosanne Cash)の『The LIST』(2009)には、フォークシンガーとしてのボブ・ディラン(Bob Dylan)初期の代表曲である「ガール・フロム・ザ・ノース・カントリー」も収載。ディラン登場に前後したフォーク・リバイバルの潮流で取り上げるアーティストも多かった。ライターとして歌詞創作の妙が称えられるディラン、ここにもその才気が現れているのだろうか。何度も聴いているが、その卓越性に対する確かな認識は得られていない。「風に吹かれて」などと同様、ディラン・ソングのカバーは他者が歌ってその美しさを知り、何気なくディランに立ち返って「新鮮さ」に邂逅する、そんな佳作には違いないと思っている。

◆追記◆
ボブ・ディランとジョニー・キャッシュ(2011/12/05)
♪マン・オブ・コンスタント・ソロウ(2013/07/25)
再び、♪北国の少女(2014/04/29)
ディランの♪フェアウェル(2014/06/01)
♪スペイン革のブーツ、ってバリアントも(2014/08/02)

2011年11月13日日曜日

♪黒いヴェールの女、を語る

ロザンヌ・キャッシュ(Rosanne Cash)の『The LIST』(2009)というカバーバージョン12曲を収録したCDでは、選曲のセンスと染み入る歌唱を引き立てるアレンジの妙が味わえる。「ロング・ブラック・ベール」は、レフティ・フリゼル(Lefty Frizzell)がオリジナルだったか。やはり、ザ・バンド(The Band)の『ミュージク・フロム・ビッグ・ピンク』収録のロックバージョンへの馴染みが深い。ロザンヌとしては父親ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)の持ち歌としての継承か。
リフレーンの「ノバディ・ノウズ・バット・ミー」が耳に残る歌詞。バラッドのバリエーションなのか、死刑囚が事の次第を物語る体裁となっている。

2011年11月12日土曜日

♪ユー・エイント・ウーマン・イナフ、を歌うシンガー

ロレッタ・リン(Loretta Lynn)トリビュート盤『Coal Miner's Daughter』(2010年)の中でもお気に入りは、ナッシュビル系ロックバンド・パラモア(Paramore)による「You Ain't Woman Enough(to Take My Man)」。アコースティクギターがかき鳴らされ、ヘイリー・ウィリアムス(Hayley williams)のはじけたボーカルが鼓舞する。
この歌詞、ロレッタならではのカントリーサイドのフェミニズム志向の先駆け、あるいは自立に目覚めかけた女性感情だっと思っていたが、パンク感覚に満ちたヘイリーの歌唱はマッチする。カントリー・シンガーとしての同系スタイルはマルチナ・マクブライド(Martina McBride)が継承している。マルチナによるバージョンもあわせて聴きたくなった。

2011年11月11日金曜日

2010年の♪コール・マイナーズ・ドーター

2011年購入CDのお気に入りの1枚も『Coal Miner's Daughter』(2010年)のタイトル。ロレッタ・リン(Loretta Lynnのトリビュート盤で、リー・アン・ワーマック(Lee Ann Womack)、キャリー・アンダーウッド(Carrie Underwood)、マルチナ・マクブライド(Martina McBride)、フェイス・ヒル(Faith Hill)ら参加は豪華(美女ぞろい)、ロレッタのカントリー・ホンク節を強調したアレンジ・パフォーマンスが楽しめる。最終トラック・タイトル曲のパフォーマーはロレッタ自身とシェリル・クロウ(Sheryl Crow)、ミランダ・ランバート(Miranda Lambert)―、40年前の楽曲ながら色あせていない。

2011年11月9日水曜日

♪「炭鉱夫の娘」が歌う

ロレッタ・リン(Loretta Lynn)のアイデンティティに基づく代表曲「Coal Miner's Daughter」は、私の世代くらいまでの北海道人には、その地域性と生活感覚に親しみが感じるられるナンバーとして記憶されている。ロレッタの半生をシシー・スペイセクが演じた映画「歌え!ロレッタ愛のために」(1980年)の原タイトルでもあるが、「炭鉱夫の娘」ではPR訴求力に欠けるとの考えか。最近のことだが、劇中、ロレッタの父親を演じているのはザ・バンドの創設メンバー、リヴォン・ヘルム(Levon Helm)だと認知した。

2011年11月8日火曜日

♪ウエイト、カントリー・ゴスペルとロックの出会い

ニッティ・グリッティ・ダート・バンド(Nitty Gritty Dirt Band)『Will the Circle Be Unbroken』のCD5枚目、クレジットのない最後のトラック(これもボーナス?)に「ウエイト(Weight)」が収録されていた。出会いは、マーティン・スコセッシの音楽ドキュメンタリー映画「ラスト・ワルツ」(1978年)で、思い返してここでこそがカントリー・ゴスペル(およびカントリー・ロック)の認知であった。ザ・バンド(The Band)の解散コンサートに焦点をあてつつ監督によるバンドメンバーインタビュー、スタジオセッションも収録。「ウエイト」はザ・バンドの実質的デビューアルバム『ミュージク・フロム・ビッグ・ピンク』(1968年)で画期を成したナンバーで、同映画ではザ・ステイプル・シンガーズ(The Staple Singers)とのセッションはコンサートライブの熱気とは対照に心に響く演奏となった。
ちなみに、この楽曲はアメリカン・ニュー・シネマの代表作「イージー・ライダー」(1969年)のサウンドトラックにも挿入されていたが、演奏はザ・バンドではなっかた。
これも繰り返し聞いた「ウエイト」の歌詞。これも引き続き咀嚼する。

2011年11月6日日曜日

♪Will the Circle Be Unbroken、カントリー・ゴスペルとは、

ニッティ・グリッティ・ダート・バンド(NGDB)に並行して、カーステレオではカントリー・ゴスペルのCD3枚組み・VA版を聞き流す。NGDB『永遠の絆(Will the Circle Be Unbroken)』の原点であるカーター・ファミリー(The Carter Family)のオリジナル(「Bye And Bye」)、同曲をベースにカール・パーキンス(Carl Perkins)が創作した「パパが歌えば(Daddy Sang Bass)」も収録。後者はカールも出演していたジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)のTVショーで3姉妹編成のカーター・ファミリーらレギュラーメンバーで、何度も唄われたようだが、このCD収録はTex Willams,JOhnny BOnd,Billy Mize & Cathe Taylorとあった。
よくできた日本語詩の歌唱によるなぎら健壱版「永遠の絆」は、NGDBの第1作目(1972年)が契機という。
ここで歌われている世界はゴスペル(福音)なのか。現代の日本人が思い描く宗教の精神世界というより、人間くささが織り込まれている。歌詞に留意、さらに聞き込むことに。

◆追記◆
♪サークル・オブ・ライフ(2012/01/01)
♪ウィル・ザ・サークル・ビー・アンブロークン(2012/02/11)
バーバラ・ヘンドリックスに教わる(2012/02/26)
オデッタがうたう歌(2012/08/09)
ジョージ・ジョーンズ逝く(2013/04/28)
♪キャン・ザ・サークル・ビー・アンブロークン(2013/05/12)
ソングスター!?だったのか。(2013/07/18)

2011年11月3日木曜日

♪ワイルドウッド・フラワー、NGDBから始める。

ニッティ・グリッティ・ダート・バンド(NGDB、Nitty Gritty Dirt Band)から始める。この数週間、1972年から2002年まで3シリーズ製作されたアルバム『永遠の絆(ウィル・ザ・サークル・ビー・アンブロークン)』のDVD付きボックスセットを繰り返し聞き込む。ロイ・エイカフ(Roy Acuff)、アール・スクラッグス(Earl Scruggs)からアリソン・クラウス(Alison Krauss)、アイリス・デメント(Iris DeMent)まで世代を超えた参加ミュージシャンの幅に興味。最初のお気に入りは、DVDボーナストラック収録のロザンヌ・キャッシュ(Rosanne Cash)による「ワイルドウッド・フラワー(Wildwood Flower)」。1972年版のマザー・メイベル・カーター(Mother Maybelle Carter)の歴史的演奏と合わせ聞き込んでしまう。ロザンヌの魅力は内省的に響く歌声、天性か。