2014年12月25日木曜日

「ストックホルムでワルツを」

ジャズ・ボーカルの歌姫として紹介されることの多い、スウェーデンのモニカ・ゼータルンドの歩みをなぞった「ストックホルムでワルツを」(ペール・フライ監督)。まさに美貌といい、モニカを彷彿とする主演女優の歌唱と、製作陣が描きたかったであろうモニカ本人の生き様を際立たせたのは、色彩設計とファンション・メイクを含む美術力であった。劇場で観る価値ありである。
ここ10年くらいはめったに聞かなくなったジャズ。よく聴いていたころは、そんなに人となりに関する情報は多くなかったように思う。映画で明らかになったのは、アップダウンありのドラマ人生、こんな奴いるよねという「イヤな女」系であったりして。お国の言葉でジャズを歌う、モニカの音楽の価値がいかにしてスウェーデンという国で育まれたのかが分かったのはよかった。モニカの音楽、やっぱりクールだな。ワールドワイドな成功のきっかけ、日本語版のタイトルにかけてあるビル・エヴァンスとのジョイント・ワルツ曲も秀逸だが、昔から「イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー」好きだったなぁー、さっそく『ワルツ・フォー・デビー』のCD取り出してかけ流してみる。

「ストックホルムでワルツを」の評価メモ
【自己満足度】=★★★★☆
【お勧め度】=★★★★☆

2014年12月10日水曜日

今年のクリスマスは…

ベースメント・テープス効果に増幅されボブ・ディランにとどまりすぎて、12月も中旬へというところだが、今年はいまだクリスマス・アルバムの新規購入をしていなかった。とりあえず、手持ちからエヴァリー・ブラザーズ(『クリスマス・ウィズ・ジ・エヴァリー・ブラザーズ』、2013/11/24)、エルヴィス・プレスリー、デヴィッド・フォスターのプロデュースによるVA盤(グロウン・アップした♪クリスマス・リスト、2013/10/30)、黒人霊歌のクリスマス曲集(『ブラック・クリスマス』、2013/11/21)と、これもVAでクリスマス・フォーカスではないけど封切りしていなかった『ゴスペル決定版~偉大なる女性ゴスペル名唱集』まで、かけ流してきたところ。ブラック系のゴスペル、カントリーもと今年のはこの流れで、、、
本日はケニー・ロジャース(ケニー・ロジャースの『クリスマス』、2013/11/22)で。後々、マルチナ・マクブライドからジョニー・キャッシュ&カーター・シスターズ(ジョニー・キャッシュのクリスマス・アルバム、2013/12/16)、、、このあたりは一年前の再履修のようだけど個人的には定番、フェイバリットの域に。

2014年12月1日月曜日

「紙の月」は、、、ペーパー・ムーンなのにね。

予告編とかで宮沢りえに魅かれて、吉田大八監督の新作「紙の月」。妙齢は超えたりえちゃん、確かにエロさはあるなぁー。それだけでよいかもしれないが、情事と逸脱の進行にカットバックで織り込まれたミッション・スクール時代の募金をめぐるトラウマ事件が、全くシンクロしていなくて心に響かないのが最も惜しまれる。主人公の女性の心理に接近できないということ。これは映画としての仕上がりの問題なのか、そもそものドラマ(原作?)の問題なのか。プロットの積み上げが作り物じみて、、、机上の、いや紙の上でのドラマツルギーにとどまってしまったのではとも。

「紙の月」の評価メモ
【自己満足度】=★★☆☆☆
【お勧め度】=★★★☆☆