2014年2月28日金曜日

ボブ・ディランのコンスタント・ソロウ

ボブ・ディラン(Bob Dylan)の「Constant Sorrow」というブックレット&DVD集をストックしていたのだけれど、ちょっと仕事で立て込んだのと録画ストックがたまり込んでいたので、なかなか着手できなかった。フォーク・フォーカスのルーツ探索なのかな。
このタイトルの取り方、当然、ディランが1961年録音のデビュー・アルバムに収載した「ザ・マン・オブ・コンスタント・ソロウ」に掛けていると思われるのだが。そろそろ、週末に読解したいと考えているが、、、。
その前に、DVD「ダウン・ザ・トラックス:ザ・ミュージック・ザット・インフルエンスド・ボブ・ディラン」(スティーヴ・ガモンド監督、2008・英)があった。分かりやすい読み解きかというと、そうではない。しかし、確かにボブ・ディランはアメリカン・ルーツ・ミュージックの揺籃で育ったという内容になっている。バラッドの多様なバージョンの有り様、ウディ・ガスリー(Woody Guthrie)が示しているように、旋律の借用やコンセプトの再構築による創作という手法に接近できている。
1962年のデビューアルバム収載、ブラインド・レモン・ジェファーソン(Blind Lemon Jefferson)の「スィー・ザット・マイ・グレイヴ・イズ・ケプト・クリーン」をはじめ、いくつかの楽曲への着目から示唆を得る。カーター・ファミリーの系譜もこんなにあるのだという感じ。「ウェイウォーン・トラベラー」から「時代は変る」説もあるんだって!?
レッドベリー(Leadbelly)は、自身の生涯が1976年に同名のタイトルで映画化されているそうで、発掘の功績者とされるジョン・ローマックス(John A. Lomax)との関係の部分が引用されナレーション内容とあわせてシニカルなトーンに興味を抱いた。「レッドベリー」、本邦未公開かな、これはこれで通して観てみたなぁ。
あと、英国人フォーク・シンガー、マーティン・カーシー(Martin Carthy)がディランに教えた曲の一つが「スカボロー・フェア」で、その焼き直しが「北国の少女」だとの指摘も。マイク・ニコルズ監督の映画「卒業」(1967)で馴染みが深いサイモン&ガーファンクル(Simon & Garfunkel)の「スカボロー・フェア」の源泉について多くの日本人は関心が薄いのだが、ディランつながりもあるのかと。
ん、でも、このDVDでは「ザ・マン・オブ・コンスタント・ソロウ」への言及はなかったな。

◆追記◆
「Constant Sorrow」はインタビュー集だったので、結果、ブックレットを参照した方が分かりやすいのかと。アルバムでいうと、『ボブ・ディラン』(1962年)から『ナッシュビル・スカイライン』(1969年)までの読み解き。

再び、♪北国の少女(2014/04/29)

2014年2月25日火曜日

アニタ・カーターとハンク・ウィリアムス

ちょと前、YouTubeからの配信メールにハンク・ウィリアムス(Hank Williams)とアニタ・カーター(Anita Carter)のジョイントがあったので紹介します。「I Can't Help It」、私は初めて見ました。アニタ・ファンにとっては嬉しい限り。とても貴重だと思うのだけど、このカップリング、他のパフォーマンス映像もあるのかしら、もっと観てみたい。
カーター・ファミリーの評伝でこの二人の関係を記述していたことも思い出す。読み返してみなければ。


◆追記◆ ハンク・スノウ(Hank Snow)とのカップリングもありました。これもYouTubeからの配信より。(2014/09/09)

2014年2月21日金曜日

ウィーバーズまで戻って、♪バリー・ミー

ピート・シーガー(Pete Seeger)追悼鑑賞シリーズで、ウィーバーズ(The Weavers)まで戻ってしまう。CD4枚組のシックス・クラシック・アルバムという廉価盤。『アット・カーネギー・ホール』(1957年)から始まっている。1枚目の20トラック分、これは以前ストックしていた別の廉価盤に断片的に収録されているなぁ。正直、十代に音楽を聴き始めたころ世代的なものなのか、ピーター、ポール&マリー(Peter Paul & Mary)は聴いていたけど、ウィーバーズには及ばなかったなぁ。PPMはモダン・フォークだけど、ロニー・ギルバート(Ronnie Gilbert)の紅バランスの妙などスタイルの原型はやっぱりウィーバーズ。でもウィーバーズの魅力は源流と言っていい楽曲群にあって味わいが違う。「シックスティーン・トンズ」って、マール・トラヴィス(Merle Travis)の炭鉱ソングか?
2枚目まで聴いてきて、カーター・ファミリー・クラシックスが2曲あったり。古色がゆかしい「アイ・ネバー・ウィル・マリー」「バリー・ミー」とクレジットされているのは「バリー・ミー・アンダー(ビニース)・ザ・ウィロー」だね。この曲、素直な歌詞の印象は陰だけど、パフォーマンスは意外と陽なものが多い気がする。例えば、ファミリー直系のアニタ・カーター(Anita Carter)版は邪気がなく爽やか。スタンリー・ブラザーズ(The Stanley Brothers)のはカーター・ファミリー版から派生したであろうブルーグラスならではの演奏スタイルに興味が引かれる。歌詞通りのサウンドを奏でているのは、ロザンヌ・キャッシュ(Rosanne Cash)かなと思う。これらの解釈の違い、意味合いはいかなるものか、、、ウィーバーズもしかり、陽を装うというバランスに意味を見い出せそう。
「バリー・ミー」の次のトラックに収録されているのは「オールモスト・ダン」、、、っつて、聴いたことあるなと考えて、ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)の『アット・フォルサム・プリズン』レガシー・エディション盤(2008年リリース)に収載されていた監獄ソング「アイ・ガット・ストライプス」の元歌なのーぉ(?)と思い当たる。ウィーバーズ歌唱は1959年のアルバム『ジ・ウィーバーズ・アット・ホーム』から、調べてみるとジョニーも同年にシングル盤でリリースしていたことを知った。そうそう、ジョージ・ジョーンズ(George Jones)歌唱もよかったね(2013/08/25記)。
全編、じっくりと聴いていかねば。

2014年2月15日土曜日

ザ・ソングズ・オブ・ピート・シーガーの続きで、

追悼鑑賞、ザ・ソングズ・オブ・ピート・シーガーは第1集「ホエア・ハブ・オール・ザ・フラワーズ・ザ・ゴーン」(1998年)から第2集『イフ・アイ・ハド・ア・ソング』(2001年)へと移行。邦人にとっては馴染みが薄い面々と、なかなかバックグラウンドまでには思いが至らない楽曲多々のトリビュート・パフォーマンスという点では第1集に共通しているもの、16トラックの皮切りは、ジャクソン・ブラウン(Jackson Browne)とジョーン・バエズ(Joan Baez)のキューバ音楽「ガンタナメラ」だ。第1集ではブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)の「ウィー・シャル・オーバーカム」があったが。、、「ガンタナメラ」、これは結構ポピュラーに知られた曲、グアンタナモの女って意味?、、、2001・9・11以降、少々フォーカスが当たった、21世紀にして米国がハイパー軍事租界を運営するかの地であろうとは、、、ここにも感慨。
ピート自身とアロー・ガスリー(Arlo Guthrie)のジョイントが2曲あるのも特徴。その一つが「66ハイウェイ・ブルース」、ウディ=ピート・ラインの曲らしいが、オリジナルは聞いていたか?気になるところ。これもピートが参加しているが、ウィーバーズ(The Weavers)時代の活動で知られた「トーキング・ユニオン」はラップというかヒップ・ホップ調に仕上がっている。いわゆるトーキング・ブルースをはじめ、歌詞の表現スタイルから派生した音楽文化、ルーツ・ミュージックの意味をあらためて噛み締める。こちらは、パーフォーマーの探究。やはり、ウィーバーズ時代からの「イフ・アイ・ハド・ア・ハンマー」は、第1集と第2集ともに異なる演者で収録、とりあえず、前者、ナンシー・グリフィス(Nanci Griffith)のパフォーマンスは好きになってしまった。

◆参考◆
YouTubeからの引用、紹介です。