2014年5月13日火曜日

「それでも夜は明ける」と、、、

久々に真っ当そうな鑑賞として、「それでも夜は明ける」(スティーヴ・マクィーン監督、2013)と、、、ウェルズ恵子氏の著作『魂をゆさぶる歌に出会う アメリカ黒人文化のルーツへ』(2014・02)に対峙。
「それでも夜は明ける」は。正直どうして今?と心情的に気が進まなかったものの、始ってみると、この間の音楽嗜好とかみ合った、まさにルーツをたどるフォーク、ワーク・ソングやゴスペルの彩りで助けられて感慨を持続しつつ見通すことができた。カタルシスには至らなかったが。感慨をもたらした情景のメモのいくつか、①黒人奴隷をキリスト教の福音をもって教化する比較的マシな部類の農場主②黒人奴隷と同様の労働に従事するまでに落ちぶれた白人によるその境遇を招いた虐げる側にあった心因の吐露③妻にも伍して黒人女を性奴隷としても支配する農場主④サトウキビやコット・フィールズでの農作業、リンチを含め過剰に残酷な奴隷の扱い(描写)、、、等々。
サッカー・バナナ事件のルーツ?、ナイジェリアで現在起こっていること、いわんや、わが国や世界の国のここかしこで拭えていない人間社会の歪み、自虐的であっても歴史は顧みなければという思いに戻しつつ、この上ないタイミングで『魂をゆさぶる歌に出会う』を読み通してしまった。ウェルズ恵子氏にはかなりの部分の関心事が重なるので興味深く読めたが、この岩波ジュニア新書、文字通りジュニア向けで文章表現は平易だけど、歌詞の解釈とか内容は難しい、奥深いねーぇ。
同書で触れている「ラン、ニガー、ラン」って、農場の監督役のポール・ダノが挑発的に歌っていた曲かな??これは、さすがに商業的なサントラ盤には収録していないだろうな。
ハンマーソングのコンセプト解説では「ロスト・ジョン」を例示し、そのパフォーマーとしてブラインド・ミュージシャンのサニー・テリーやそのカバー系統でウディ・ガスリーを紹介していた。あっそうだね、ボブ・ディランが「ウディに捧げる歌」で敬意を示した3人うちのひとりがサニーだったね。

「それでも夜は明ける」の評価メモ
【自己満足度】=★★★☆☆
【お勧め度】=★★★☆☆

『魂をゆさぶる歌に出会う アメリカ黒人文化のルーツへ』の評価メモ
【自己満足度】=★★★☆☆
【お勧め度】=★★★☆☆

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