2015年6月11日木曜日

「国際市場で逢いましょう」

ポツダム宣言を受け入れて戦後70年の節目という表現をよく耳にするようになった。而して朝鮮半島では日本の統治から解き放たれて朝鮮戦争という悲劇を経験、かりそめの休戦協定が1953年なのだというから、韓国の「戦後」はハンディキャップもあり随分と、わが国とは異なる歩みであったことだろうと認識し直す。
ユン・ジェギュン監督の「国際市場で逢いましょう」。確か、かつて日系の一大化学肥料工場などで工業都市として栄えた、日本海に面した現在の北朝鮮の支配地から戦火に追われ釜山まで逃げてきた男の一代記、時系列を行き来する目線を通した大河ドラマ仕立ての現代史と言っていい。戦乱に伴う家族離散の悲劇、西独の炭鉱へと多くの韓国人が出稼ぎに渡った事情、韓国のベトナム戦争への参画、「家族探し」はどのようになど、その実相は容易に思いもつかないのだが、韓国的な家族愛・家長像が投影されていたり、相応世代にはコモンセンスがあるのだろう。その意味で、国外マーケットを意識した大概の韓流映画とはトーンが違い、コメディ風味など韓国ナショナル志向の演出となっている。であるから、より一層、興味を引き付けられ、彼らのコモンセンスを解き明かし読み解いてみたくなる。

「国際市場で逢いましょう」の評価メモ
【自己満足度】=★★★★☆
【お勧め度】=★★★★☆

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