2014年7月23日水曜日

♪ヒー・ワズ・ア・フレンド・オブ・マイン

いまさらながら、これほどにはと、ボブ・ディラン(Bob Dylan)にのめり込んでしまい、ブートレッグ・シリーズの一部へと食指を伸ばしてしまい聴き始めるはめに。CD3枚組みの1枚め第1集(1991年)は、初期のアルバム・アウトテイクや出版登録用のデモが主で、ピアノ弾き語りがあったりのシンプルなサウンドと楽曲群は今現在の私の嗜好にフィットするもので大満足。「ブロークバック・マウンテン」(アン・リー監督、2005)で書き留めた「ヒー・ワズ・ア・フレンド・オブ・マイン」のディラン・バージョンを通して聴けたわけだし(〈ブロークバック・マウンテン〉を聴いてみる、2013/10/06)。ディラン自身はこの曲の元歌はブラインド・アーベラ・グレイ(Blind Arvrella Gray)というシカゴのストリート・ミュージシャンに教わったと言ってるそうだが。確かに、レッドベリー(Leadbelly)の「ショーティ・ジョージ」からは飛躍がある意義深きバージョン、パフォーマンスだと思う。
由緒ある、これぞトラッド「ハウス・カーペンター」があり、メロディ・ラインが「風に吹かれて」に援用された、オデッタ(Odetta)のスピリチュアル歌唱にならったであろう、「ノー・モア・オークション・ブロック」もしみじみ聴けた。ピアノ+ハーモニカを自ら奏でる「パス・オブ・ヴィクトリー」は、どこかハンク・ウィリアムス(Hank Williams)の「アイ・ソー・ザ・ライト」を思い起こさせる印象が強い。さて、ルーツ?は、、、
と、、、「パス・オブ・ヴィクトリー」、このタイトルに限ってはCD付帯のブックレットには示唆が乏しく、しばし思い出して、DVD「ダウン・ザ・トラックス:ザ・ミュージック・ザット・インフルエンスド・ボブ・ディラン」(スティーヴ・ガモンド監督、2008・英)によると、元歌はカーター・ファミリー「ウェイウォーン・トラベラー」だと指摘、さらなる発展形が「時代は変る」だとの説にも言及していた。

◆追記◆
ブートレッグ・シリーズ第9集は『ザ・ウィットマーク・デモ』(2010年)という、デモ・パフォーマンスの集成でCD2枚セット。かなりの楽曲が第1集と共通していて聴き比べるのが楽しい。「パス・オブ・ヴィクトリー」、こちらはギター&ハーモニカ伴奏だぞ。押し並べて音質がこもっているのが惜しいかな。
第9集のブックレットは音楽著作権ビジネスの実際、例示として幾ばくかの疑問には答えてくれた。惜しむらくは、私の関心度合いの高い楽曲の発生とバージョンの妙へのフォーカスが不足であったこと。(2014/07/27)

◆参考◆
たまたまの配信にあり、「ヒー・ワズ・ア・フレンド・オブ・マイン」、YouTubeからデイヴ・ヴァン・ロンク(Dave Van Ronk)歌唱の引用、紹介です。

0 件のコメント:

コメントを投稿