2013年10月6日日曜日

〈ブロークバック・マウンテン〉を聴いてみる

最近はめっきり縮小と見えていた、CDショップ店頭のサントラ盤コーナー、期間限定999円という邦盤企画で100を超えるタイトルが再発売されていて、目にとまったのが「ブロークバック・マウンテン」(アン・リー監督、2005)のそれ。アン・リー監督作品は大概好みに仕上がっているが、この映画は封切り時に見たっきり、個々のシークエンスと使われた楽曲は全くのおぼろというのが正直なところ。ウィリー・ネルソン「ヒー・ワズ・ア・フレンド・オブ・マイン」(エンディングのテーマ)、エミルウ・ハリス「ア・ラブ・ザット・ウィル・ネバー・グロウ・オールド」(主題歌だった?)、リンダ・ロンシュタット「イッツ・ソー・イージー」―の3点が収録されていることを頼りに購入してしまった。
しばし聴き流して、ライナーノーツも読み始めたところだが、「ヒー・ワズ・ア・フレンド・オブ・マイン」ボブ・ディラン作との論述があり?、英文クレジットも同様??、映画のエンドロール表記もそうだったのか???と気になってきた。ちょっと調べてみた限り、ディランにはブートレッグ版の録音しかないようだが、、、どうなんだろう。ディランというよりは、作者未詳のトラディショナル・フォークだと思われるこの楽曲、手持ち音源を含めて、ほかのバージョンを探したくもなってきた。
リンダ・ロンシュタットのは劇中場面で挿入だったと思うけど、「イッツ・ソー・イージー」は1977年のリリースで、このころ、ラジオの洋楽ヒットチャート番組などを聴いていた個人史に照らして、素直に反応してしまうサウンドと歌唱。
その後、1980年代後半から1990年代は、ジャズ・ボーカルやスタンダード・ソングをよく聴いていたけど、ここでもリンダがかぶっていた。「イッツ・ソー・イージー」のオリジナルはバディ・ホリー。ここでまた、リンダの初期の録音を見かえしてみると、「デスペラード」&イーグルスといったキーワードにも増して、アメリカン・ルーツ・ミュージックを継承する歌い手としての一面が見えてくる。この辺りもあらためて散歩してみたいもの。ブロークバック・マウンテンってワイオミングだった?土地柄も思い起してね。
ちなみに「ブロークバック・マウンテン」で、エミルウ歌唱の上述を含め主だったオリジナル楽曲を書き下ろしたグスタボ・サンタオラヤが、サントラ盤でもプロデューサーを務める。この方に強い印象は感じてなかったが映画畑では、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥとかウォルター・サレスの監督作品とかで、ラテン系コラボレーションとしてよい仕事をしてきたようには見えた。本作品では、映画音楽としては至極好ましいといえる大人しい旋律が裏目、、、というのが、今現在の感想である。

◆追記◆
「ヒー・ワズ・ア・フレンド・オブ・マイン」ボブ・ディランの関係の疑問、解に近づく示唆を、マーティン・スコセッシ監督「ノー・ディレクション・ホーム」(2005)の日本語公式サイト内に見つける。デイヴ・ヴァン・ロンク(Dave Van Ronk)のアルバムにディラン作のクレジットがあるとのこと。ディランがデビュー盤用に録音したトラディショナル調の、ロンク・バージョンであるという。ここでも何故にという疑問は残るのだが、、、。デイヴ・ヴァン・ロンクのパフォーマンスは「ノー・ディレクション・ホーム」に収録とのことだが、語りのイメージのみ強く演奏の記憶がいまひとつ。サントラ盤かつブートレッグの第7集のCDには入っていないので、映像を流してみようか、、、(2013/10/12)。
元歌ということでは、カントリー・ブルース系の「ショーティ・ジョージ」との論説があるが。

「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」(2014/06/19~20)

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