2014年10月6日月曜日

企画に引かれて、「イン・ザ・ヒーロー」から、、、

企画に引かれて劇場鑑賞してしまった映画を2題。
ブルース・リー世代、高校中退でアクション・スターを目指したという唐沢寿明の主演を想定したかのように、特撮ジャンルのスーツ・アクター、スタントもこなすアクション系俳優らにオマージュ捧げた「イン・ザ・ヒーロー」(武正晴監督)。2010年のシネカノン経営破綻後はどうしていたの?と思っていた李鳳宇が企画、エグゼクティブ・プロデュサーを務めていた。想定内の大甘なプロットはしょうがないかと思いつつ、映画愛も認められ、遊び心も見えるコメディタッチの緩さ加減に悪い気はしなかったとの感想。もっとも、大部屋キャリアで希代の斬られ役・福本清三にあて書きしたであろう「太秦ライムライト」(落合賢監督)、西の企画に対抗するかのような、東の東映内輪ネタ。映画製作現場の内幕ものって、確かにそこそこ興味を引き付けるけど、あんまし頻発するとモチベーションも下がるし映画ファンに媚過ぎている気もするなぁ。
映画製作の内輪ネタで過去の対抗佳作、わが国の歴史的な撮影所型製作方式へのノスタルジーと哀歓を込めた「ラストシーン」(中田秀夫監督、2001)だな。
ジョージ・バーナード・ショーの戯曲「ピグマリオン」のミュージカル化「マイ・フェア・レディ」があって、1964年のミュージカル映画「マイ・フェア・レディ」(ジョージ・キューカー監督)があるわけで、率直に面白そうな企画だと思った「舞妓はレディ」(周防正行監督)。京都・花街を舞台に、周防監督はまさにシンプルな翻案に取り組んだわけで、主演の舞妓志望の若手女優も感じよかったんだけど、全体として映画の出来は凡庸だったなぁ。姐さん舞妓で地元出身の田畑智子はこのタイミングでしかない当たり役だよね。でも、キャステングの骨子が周防組で固まっているのは感心できない。内向きでなく、別なチャレンジがあってよいのでは。この映画もプロットの甘さ、演出の甘さが気になる。それにも増して楽しみ具合が薄くなるのは、ミュージカルとしての音楽の水準かな。「アナと雪の女王」とまで言わないまでにしても、刷り込まれるほどの主題旋律や単に台詞を歌うというだけではない1曲や2曲のキャチあるテーマ歌唱がほしかった。そこは妥協なく。まあ、京都好き、京都が舞台の映画なので飽きずに見通しましたが。
現代京都・花街ものの対抗娯楽作は「舞妓 Haaaan!!!」(水田伸生監督、2007)に尽きるね。

「イン・ザ・ヒーロー」の評価メモ
【自己満足度】=★★★☆☆
【お勧め度】=★★★☆☆

「舞妓はレディ」の評価メモ
【自己満足度】=★★★☆☆
【お勧め度】=★★★☆☆

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