2014年10月9日木曜日

「ジャージー・ボーイズ」

jazzyかと思いきやJerseyであった。ファルセット・ボイスのボーカリスト、フランキー・ヴァリを擁するニュージャージー州出身のフォー・シーズンズの足跡をなぞったジュークボックス・ミュージカルの映画化をクリント・イーストウッド監督が手がけた「ジャージー・ボーイズ」。ポピュラー音楽業界には、ありそうな栄光と挫折、そしてリカバリーのドラマをハリウッド力を駆使した映像を繰り出しで飽きさせない。まさにオールディーズそのものの楽曲群の魅力と歌い踊る俳優たちの力量は確かで演出も的を射ている。そして単純なエンターテイメントにとどまらない、メンバーの独白でつなぐプロット展開とヒューマン・ドラマとしての味付けがうまい塩梅なのだと思う。ミュージカル版も同じテイストなんだろうか、機会があれば観てみたい。
ミュージカル映画範疇で「舞妓はレディ」(周防正行監督)と比較してしまうのだが、フォー・シーズンズとしての最初のヒット「シェリー」、オリジナル・チームとフランキー・ヴァリの転機を刻んだ「キャント・テイク・マイ・アイズ・オフ・ユー(君の瞳に恋してる)」の両曲のキャッチが強く、ドラマツルギーのベースとなっているのが作品魅力なんだろう。
別途、「スコッチ・アイリッシュ」を考えてきたところが、この映画でボーイズは、都市部イタリア系移民のコミュニティを土俵としていた。彼らはカトリック、イタリア語の意思疎通が挟まれたり。音楽的にはリズム・アンド・ブルース出自というよりは都会的なポップ。でも、ドゥーワップ・スタイルのコーラス曲が多いからか黒人系がカバーしても全然面白い感じで、それがこのグループの妙か。プロデューサーのボブ・クリューって人物像もちょっと気になったな。ほかにどんな仕事しているんだろうか。そうか、「バイ・バイ・ベイビー」(クレジットは「君の瞳に恋してる」に同じくボブ・ゴーディオとの共作)はベイ・シティ・ローラーズがカバーしたんだったのね。
あと、なるほど、ジョー・ペシもニュージャージー出身か。

「ジャージー・ボーイズ」」の評価メモ
【自己満足度】=★★★★☆
【お勧め度】=★★★★☆

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