2015年3月15日日曜日

「幕が上がる」から「くちびるに歌を」へ、

これは、幕が上がるところでエンディングだなとは、ドラマに着いていく過程で予測された悪くない予定調和。「ももいろクローバーZ」がなんたるかとか、とりわけ興味はなく、平田オリザの原作、舞台系への目配りがある本広克行監督であるということ、ここ数年、NHKのEテレで「青春舞台」はフォローしていたのを主因に、少々の期待感とともに「幕が上がる」の上映館へと足を運ぶ。
ボーイ・ミーツ・ガールのプロットではないものの、思春期の揺れ動く心を持つ高校生たちが演劇に打ち込む、いわば定番の青春ストーリー。富士山を臨む富士宮市なのか、地方都市の高校生活と空気感、彼女たちの夢・将来は見えてないけど、とにかく伸びしろとエネルギーがある、成長する年ごろである。振り返って自分にも、そんなライフステージがあったのではとのノスタルジーと、今現在、あんな瞬発力は残っていないなぁと、少々の悔しさ。
そうだよね、演劇を志して東京に集う人材群は確かにエネルギッシュ、まあ、音楽や映画なんかも同系でしょうが、ライブの身体勝負、必ずしもビッグマネーを目指していないであろう、演劇界の独特の魅力に、いまだに憧憬を抱いていることを自覚し、登場の女子高校生目線に重ねてしまう。

「幕が上がる」の評価メモ
【自己満足度】=★★★★☆
【お勧め度】=★★★☆☆

◆追記◆
若さに希望、成長への共感という意味では、「くちびるに歌を」(三木孝浩監督)も同系列か。自分ではコントロールできない境遇に悩み「生きていくことの意味」を反芻するテーマとプロットはプログラム・ピクチャーの平均水準、演出や出来上がりに特段の冴えはないものの、合唱部・中学生たちのキャスティングにこそ、この映画の魅力はある。単純にこの年代のかわいさというのと、やっぱり伸びしろだね。もちろん、この企画のベーシックなモーチフになっているアンジェラ・アキの「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」という楽曲は活かされいたし。
余談だけど、長崎・五島列島というと、私の世代ではユーミンが荒井由実時代の「瞳を閉じて」を思い出してしまう。確かに海はきれい。(2015/03/20)

「くちびるに歌を」の評価メモ
【自己満足度】=★★★☆☆
【お勧め度】=★★★☆☆

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