2015年2月26日木曜日

「リトル・フォレスト 冬・春」

4部作の後編なので上映終了が気になったりもしたが(縮小っぽい回転数であったし)、なんらかの期待を抱きつつ、森淳一監督の「リトル・フォレスト 冬・春」を鑑賞。トータルで、これらの映画がつくられる日本映画界は、まだまだ見限るものではない――と自省してとりなすことができたのが成果であり、評価であった。夏・秋編で播かれた、橋本愛が演じる主人公の若い女性と失踪した母との関係の推移や彼女の都会生活での挫折らしき経験といった含みの深層は、必ずしも解き明かされていない。農の営みから糧を得て仕込み、調理し、食する生活を積み重ね、人間の距離感が保たれた孤独な思索に貫かれている。現在進行形、いまどきの産業化と競争力強化から語られる農業では、暮らしとしての本質、生きる力が見失われてしまうとの危惧も感じつつ。
プロットの終局、この回帰は希望と受け止めた。オチてはいないけど、わだかまりも残らず。

「リトル・フォレスト 冬・春」の評価メモ
【自己満足度】=★★★★☆
【お勧め度】=★★★★☆

◆過去のメモ◆
「リトル・フォレスト 夏・秋」(2014/09/20)

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