2013年7月18日木曜日

ソングスター!?だったのか。

奥和弘氏の『アメリカン・ルーツ・ミュージック ディスクでたどるアメリカ音楽史』で、的を射たコンセプトを教えていただたのが「ソングスター」。奴隷解放による黒人の流動化を経てブルースが成立する以前のこと、概ね19世紀末までは、意外(?)にも白人と黒人に音楽の隔たりは際立っていなくて、フォーク、バラッド、ミンストレル、あるいはゴスペルなど共通のレパートリー(コモンストック)が相互に担われていて、その歌い手を指す語彙なのだそう。ミシシッピ・ジョン・ハート(Mississippi John Hurt)、レッドベリー(Leaddbelly)らはこの系譜の末裔に当たるという。なるほど、確かにスッキリした気になる。
あるいは、この間聴いてきた、ファリー・ルイス(Furry Lewis)、ロバート・ウィルキンス(Robert Wilkins)、ブラック・エース(Black Ace)、あるいは、フレッド・マクダウェル(Fred McDowell)も含めたカントリー・ブルース・ジャンルは、かぶっているなぁとよぎる。件の「ホエン・アイ・レイ・マイ・バーデン・ダウン」「グローリー、グローリー」「サークル・ビー・アンブロークン」とバリエーションが広がった源の様相が少し見えた気もする。白人、黒人ともに歌われるゴスペルでは、やはり「ファザー・アロング」、確かにソングスター・コモンストックとしてフィットすると思う。

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