2013年1月12日土曜日

《ロバート・ジョンソンを読む》


『ミシシッピ・ブルース・トレイル ブルース街道を巡る旅』と一緒に購入してしまったのが、『RL―ロバート・ジョンスンを読む アメリカ南部が生んだブルース超人』(著者・日暮泰文氏)。元来、ブルースはレコードで聴いていなく、ロバート・ジョンソン(Robert Johnson)もコンプリート版CDは、とりあえず置いてある程度だったので、2年近く前の初刷発売時には、敷居が高かったのは確か。
今回手にしてみて、志を持ったカントリー・ブルース傾聴へのアプローチとして、そこからモダンなブルースへの飛翔が学習できたのが大きな成果。RLの評伝や全曲解説に、Pヴァイン創業などの著者のキャリアと才気が表れているが、基礎資料と想像力を基に構成された小説風の足跡再現は、楽しい読み物であった。ニューポート・フォーク・フェスティバルへの主演!!!等が活写されるなんてである。とりわけ、「クロスロード伝説」を巡る濃厚な論考では、ロマンに陥ることなくディテールの積み重ねで伝説の成り立つ可能性を示唆してくれていることに好感し共感した。
メンフィスからジャクソンにかけてのデルタ地方「RLランブリン・マップ」も収載、現地歩きの叙述は、一般旅行本である『ミシシッピ・ブルース・トレイル ブルース街道を巡る旅』と対極。ミシシッピ・ブルース・トレイルは良きつけ悪しきにつけ、あくまで観光振興の文化プロジェクトであったなど、両方読んでみて感じる部分に意味を見つけることもできた。

『RL―ロバート・ジョンスンを読む アメリカ南部が生んだブルース超人』の評価メモ
【自己満足度】=★★★★★
※RL生誕100年にあたる2011年の出版で、新刊ではないですが。

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