2013年2月25日月曜日

「横道世之介」

「横道世之介」(沖田修一監督)、1980年代に大学進学のため上京した長崎出身の若者にまつわるストーリー。ゼネレーションは重なっていて、懐かしく共感するというのでもなく、「わかる、わかる」といった感じの、時代・キャラクター描写が続く。要は表題の通り髙良健吾演じるこの若者なのだろうが重心ではなく、小説が原作のためか群像劇要素を束ねようとの苦心のシナリオ構成は、3時間近くの長尺に達し着地点を焦らす。カットバックのはさみ方、年齢と時制に、あるいはストーリーテリングに、若干の甘さは感じたものの、通して心地よく観られ、余韻も悪くないのは確か。
行定勲監督の「きょうのできごと a day on the planet」(2003)に似た味わい、最も今回の方が事件も起こり寓話的でもあるか。而して、出来栄えの80%は記憶に刻まれうる「普通のよい人」を体現した、髙良健吾くんのパフォーマンスによるものであることには違いない。

「横道世之介」の評価メモ
【自己満足度】=★★★★☆
【お勧め度】=★★★☆☆
※日本映画好きな方にはプラスで。

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