2013年3月20日水曜日

「シュガーマン」

何気に思い立って「シュガーマン 奇跡に愛された男」(マリク・ベンジェルール監督)。アメイジング!!!1970年代の初頭、アルバムを1、2枚を録音した後、消息不明となっていた米国のシンガー・ソングライター。アパルトヘイトに抗する機運に合致したがゆえ南アフリカではアフリカーナら中心にその楽曲が絶大な支持を得るが、人物像はレジェンドに。この伝説を解き明かすドキュメンタリー映画なのだが、インパクトは期待以上であった。
ミシガン州デトロイトのロドリゲスというこのミュージシャン、生業は解体現場などの肉体労働。才能は最も詩作にこそ発揮され、名前が示すようラテン系の歌声とサングラスの風貌からは、ホセ・フェリシアーノを彷彿とさせる。およそ20数年の歳月を経て、埋もれた才能が発掘され、南アでの復活コンサートにかかる部分がドラマツルギーの肝であることに違いはないが、3人の娘を地元で育てていたロドリゲスの静謐な生き様にこそ、人の暮らしの手本を垣間見る思いがした。
デトロイトを舞台にしたワーキングクラス、プア・ホワイトの暮らしぶりを描いたローカル映画としては、カーティス・ハンソンの「8Mile」(2002)やクリント・イーストウッド 「グラン・トリノ」(2008)に比肩する秀作。

「シュガーマン 奇跡に愛された男」の評価メモ
【自己満足度】=★★★
【お勧め度】=★★★☆☆
シンガー・ソングライター、1960年代から70年代のフォーク・ロック音楽に反応する方には、プラス

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