2013年4月7日日曜日

〈らくだ〉

歌舞伎座新劇場のこけら落とし記念の一環、札幌でも「連獅子」「らくだ」のカップリング再映が1週間行われ、トリビュート・トゥ・勘三郎のモチベーションがもたげ再鑑賞を思い立ったが、意外の盛況で入場かなわず。配給元は一部で延長上映を決めたものの札幌では今のところ予定なし、劇場の方でもより大きい小屋に移すとか、何か対応の仕様があるだろうにと、ストレスの昂じた次第。
踊りがカッコよくてアメイジングな「連獅子」は、山田洋次監督が映画手法を取り入れて編集。古典落語をプロットに据えた「らくだ」をかつて観たとき、そういえば若かりし山田監督には、この同じ落語のネタを交えた「運が良けりゃ」(1966)という快作があったなぁと思い出す。山田監督のフィルモグラフィーとして、「馬鹿まるだし」(1964)などハナ肇とのコラボレーションでアナーキーな喜劇力に満ちていた時代であった。
、、、などの想い巡らしつつ、大滝秀治主演、劇団民藝の舞台「らくだ」のTV放映録画が未見だったと、気分転換に視聴。戯曲は別役実で、落語オリジナルのバックボーンを残しつつ、別役調の不条理演劇に再構築されて、なるほどの感想。フグに中って死んだ長屋住まいのやくざもののあだ名が「らくだ」で、タイトルに掲げているのはそれぞれ共通。さらにコンセプトはゾンビダンスのルーツにも思われ、ネタの肝の「死人のかんかんのう(踊り)」も採用。山田監督の「運が良けりゃ」では、「かっぽれ」だったような気がしたが記憶違いかな?。「かんかんのう」は唐人踊り、この囃子唄の妙な歌詞自体、中国由来らしいが、、、大衆芸能のルーツ探りにも興味が沸いてきた。

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