2013年4月20日土曜日

〈法界坊〉

シネマ歌舞伎化された演目続きで、TV録画ストックから「法界坊~隅田川続俤(すみだがわごにちのおもかげ)」。こちらもシネマ歌舞伎の方は見逃し。中村勘三郎さん追悼番組で昨年末放映された、串田和美演出による平成中村座の2007年ニューヨーク公演。オリジナルはまさに江戸期の上方芝居らしいが、破戒僧の法界坊を演じる勘三郎が英語台詞を交え観客とのコミュニケーションを図るといった、海外お出かけバージョンになっている。小屋がニューヨーク・フィルの本拠地エイヴリー・フィッシャー・ホールだったのも面白い。もちろん花道付き。
世話物なんでしょうが、初見から人物関係と筋立てを見立てるのは厳しい類い。ただ、たいして難しく考えることなく観ているだけで、下世話な悪人、法界坊のキャラクターの躍動が見栄えのする歌舞伎であることには違いない。海外バージョンなり、だろうと思いつつ、これも確かに勘三郎の当たり役、かつ檄演。大喜利・終幕は、一転、趣が変わり、義太夫と常磐津に分厚く支えられた怨霊の舞、、、何度か繰り返し観て、この情緒の意味合い考えてみたくもなる。
さて、さて、これもまた、海外バージョンでないものと見比べたいもの、今回の「月イチ」には予定なしか。その前に、平成中村座のニューヨーク公演、もう一本、別の演目も見ることに。

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