2013年4月9日火曜日

「らくごえいが」

落語ネタ続きで、東京芸大大学院映像研究科が制作を手がけたという「らくごえいが」。「ねずみ」、「死神」、「猿後家」を現代映画に翻案したオムニバスと公言した割には、落語の魅力からかけ離れた凡庸な意欲作にとどまってしまった。冒頭と締めの落語家面々のインタビュー・コメントは、言い訳じみて不要。
噺のプロットを換骨脱胎して現代作品にする作業は、試験問題に取り組んだ結果のよう。あるいはトレーニング・メソッドとしては有効かもしれないが、本作に限っては、原作落語の選択を含め真摯に落語世界の風情を理解するところから始めるべきだったのでは。例えば、「死神」自体が舶来説話の翻案噺なんだし。
映画メイキング内輪話もの、、、って視点なら、まずまず観られるか。しかし、映画づくりを志す若いスタッフたちが、ハナっからそれではねぇ。キャスティングと演出、役者の演技、映像製作技術水準は相当いい感じだっただけに、苦言の方が多くなってしまった。

らくごえいが」の評価メモ
【自己満足度】=★★☆☆☆
【お勧め度】=★★☆☆☆

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