2014年9月16日火曜日

個人的なディラン・リバイバル~♪船が入ってくるとき

今年は予想外のボブ・ディラン(Bob Dylan)への再傾倒の音楽探訪となっているが、個人的な再興・再認識といえるのがスタジオ録音では3枚目の『時代は変る』(1964年)収載の「ホエン・ザ・シップ・カムズ・イン(船が入ってくるとき)。それにつけ2014年の9月11日は、朝日新聞の社長が2件の「誤報」を認め記者会見した記憶にとどめ置かれるべきメモリアル・デー、何か社会の空気が不穏でモチベーションも陰る今日このごろ。ディラン「船が入ってくるとき」は旧約聖書的ファンタジックな世界を描きつつとても糾弾ともいえる攻撃的かつドラスティックな物語り歌唱だ。マーティン・スコセッシ監督の「ノー・ディレクシション・ホーム」(2005)では確かにジョーン・バエズ(Joan Baez)がディランの怒りを誘発した直接な出来事・ホテルでの門前払いの件を証言していた。こうした歌唱姿勢、「ライク・ア・ローリング・ストーン」1965年)の先駆けであったのか。攻撃的であるととともに、その実、自分を鼓舞するようなパフォーマンスが魅力だなぁーと、現在の自分に妙にフィットするのはそんな解釈でリフレクション。歌詞から意味をくみ取るというよりは、ディランがまま言うように「絵画のように楽曲を受け止める」感じで。テイクによって攻撃度は濃淡があるのだがブートレッグ・シリーズにはピアノ弾き語りがあったり、30周年記念コンサートではクランシー・ボーイズ(The Clancy Brothers)が歌っていたりと、とにかく最近引き付けられている。

◆追記◆
預言者語りの歌の系譜では、「船が入ってくるとき」「ライク・ア・ローリング・ストーン」ときて、「雨の日の女(レイニー・デイ・ウーマン#12&35)」(1966年)。「ライク・ア・ローリング・ストーン」では「ハウ・ダズ・イット・フィール」、「雨の日の女」では「エブリバディ・マスト・ゲット・ストーンド」の各リフレーンのインパクトとその言葉を吐く立ち位置が預言者の様。前者については漫画家の浦沢直樹氏もその刷り込み体験を某TV番組で語っていた。今回の再認識としては特に後者、「みんな、石で打たれるべき」!!!倒錯をはじめ性規範等への罪に対する礫刑が想起され、やっぱり深層は聖書世界かなぁ。云々、「#12&35」は何だったけ?

◆過去のメモ◆
♪ヒー・ワズ・ア・フレンド・オブ・マイン(2014/07/23)
♪連れてってよ(2014/09/13)

0 件のコメント:

コメントを投稿