2012年9月17日月曜日

隠れた、カントリー・ミュージック映画

ゴールデンラズベリー賞候補の常連でもあるし、自分の視聴嗜好からは最も遠いジャンルと思い込んでいた、「スティーヴン・セガール」ブランドのプログラム・ピクチャー[沈黙の断崖」(原題:Fire Down Below、フェリックス・エンリケス・アルカラ監督、1997)を、TV放映録画にて鑑賞。ケンタッキー州のとある田舎街が舞台で、ステレオ・タイプなヒルビリー堅気をプロット・ベースにしたヒーロー・アクションとロマンスが展開される普通の通俗映画。関心したのは、やはり、要所に典型的なカントリー・ミュージックを配していることと、ネガティブなカントリー地域の描出。
映画出演では実績のある、クリス・クリストファーソン(Kris Kristofferson)、レヴォン・ヘルム(Levon Helm)が、名前のある役をあてがわれているほか、マーティ・スチュアート(Marty Stuart)、トラヴィス・トリット(Travis Tritt)らが劇中演奏シーンでミュージシャンとして登場。鑑賞後、気になって調べてみると、ほかに、ランディ・トラヴィス(Randy Travis)、エド・ブルース(Ed Bruce)、マーク・コリー(Mark Collie)などのコアなカントリー・ミュージシャンがカメオ出演していることが判明。セガールのギター・パフォーマンスはお遊びとして、意外にも「マニッシュ・ボーイ」がサウンド・トラックに入っているなど、音楽面で楽しめる「拾いもの映画」であった。クリストファーソンが敵役、悪徳企業のオーナー経営者を怪演しているもの見どころ。
ちなみに、日本語サイトではほとんど、この映画の音楽に言及しているものは見当たらず、サウンドトラック盤にも行き着けず。さらなる解読のためにも、録画は消去しないでもう一度観てみることに。
そう、村上由美子氏の『イエロー・フェイス ハリウッド映画にみるアジア人の肖像』、あるいは、井上一馬氏の『ブラック・ムービー アメリカ映画と黒人社会』にならったアプローチで、こうした「カントリー観」抱合映画をフォローしていきたいものである。

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