2012年9月25日火曜日

アニタ・カーターとミルト・オークン

アニタ・カーター(Anita Carter)のCDアルバム『RING OF FIRE』を聞きながら、フォーク調の編集が気になって、ブックレットを参照しつつ、少しく調べてみた。1964年のニューヨーク録音は、ピーター・ポール&マリー(Peter, Paul and Mary)、ハリー・ベラフォンテ(Harry Belafonte)、ブラザーズ・フォー(The Brothers Four)、ジョン・デンバー(John Denver)ら多くのミュージシャンでを手がけ、フォーク・リバイバル期に、大衆への訴求力ある音楽製作で力量を発揮したミルト・オークン(Milt Okun)の役割が大きかったことが判明した。
ボブ・ディラン(Bob Dylan)やトム・パックストン(Tom Paxton)楽曲採用のほか、「ノー、マイ・ラブ、ノー」、「マイ・ラブ・ラブズ・ミー」などの選曲やアレンジがオークン。オークンの采配が生きた歴史的録音となっているわけだが、解けなかった疑問も。
「ノー、マイ・ラブ、ノー」をタイトルとする曲は、トラディショナルとしてクレジットがあるが、PP&Mの「悲惨な戦争(Cruel War)」として知られたもので、こちらではストゥーキーとヤーロウの作となっている。歌詞に変わりないようだが?
「マイ・ラブ・ラブズ・ミー」は、古いシャンソンの「愛の喜び(Plaisir d'Amour)」の旋律。といえば、エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)の「好きにならずにいられない(Can't Help Falling In Love)」の録音が数年先行しているのに思い当たるが、こちらは異なる歌詞。クレジットにはレイ・エヴァンス(Ray Evans)とジェイ・リビングストン(Jay Livingston)とあった。アルフレッド・ヒッチコックの「知りすぎていた男」(1956)の劇中歌「ケ・セラ・セラ」やクリスマスの定番「シルバー・ベル」など、映画畑に縁が深いヒットメーカーコンビ、このシャンソン翻案バージョンはどのような敬意と経歴があるのか?と、、、

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