2013年8月12日月曜日

「終戦のエンペラー」

夏の「この時期」を意識した封切り作品で「終戦のエンペラー」(ピーター・ウェーバー監督)におつきあいしてしまった。天皇の戦争責任に焦点を当て、GHQの戦後統治の端緒を描いた、米国目線かつハリウッド仕様の映画だが、「ラスト・サムライ」(エドワード・ズウィック監督、2003)、「SAYURI」(ロブ・マーシャル監督、2005)ほど、現代の邦人が見ても違和感のない米風ジャポニズムなのは、製作スタッフに多くの日本人が関わっているせいか、原作が日本人作家の手によるものからなのか。
本件の特命調査官・フェラーズ准将が、やさ男で日本女性との恋愛が横糸で織り込まれるのは確かにハリウッド風、でも、ここに引っ張られる分、ボケた印象は否めない。にもかかわらず、米国目線っていうのが、この映画を観る意味。あらかじめのプロットを超えたところで、天皇がいかに描出されるか、ちょっと、ドキドキ感もあり。この感覚、アレクサンドル・ソクーロフ監督の「太陽」(2005)っていうのにもあったなぁ。さて目線、わが方はと、よりソリッドに、「日本のいちばん長い日」(岡本喜八監督、1967)もあわせでて観直してみたくなった。

「終戦のエンペラー」の評価メモ
【自己満足度】=★★★☆☆
【お勧め度】=★★★☆☆

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