2012年12月6日木曜日

「恋のロンドン狂騒曲」

ウディ・アレン監督の「恋のロンドン狂騒曲」、製作は2010年とあったので、「ミッドナイト・イン・パリ」が本邦公開が先だったということかな。一般には、「ミッドナイト・イン・パリ」の方が好まれる映画なのだと思う。しかしながら、ウディ・アレンのファンとしては、「星に願いを」の歌唱が流れる導入からして、近作では一番、ストーリーテリングにマッチしたサウンドトラックが楽しめる作品であった。
クレジットはなかったと思うが、80~90年代のアレン作品の多くで音楽監督を務めたディック・ハイマン調が復活している。音楽のセンスにおいてソフィスティケイテッドの意味を教えてくれた、これぞアレン映画!のサウンドである。かつては、ピアノ演奏も採用されていたディック・ハイマン、ご高齢と思われますが、お元気なのでしょうか。
この映画、おそらくはプロットの収束において、何かしらの不満が持たれるのだろうが、その他は、アイロニーに満ちたコミカルな台詞回しで、繰り返し作劇されてきた恋のから騒ぎとパーソナルな不安がモチーフのアレン・ワールドそのもの。不安症候群のバックグラウンドに、老いがクローズアップされてきたのもむべなるかな、監督も相応の齢なのだから。

「恋のロンドン狂騒曲」の評価メモ
【自己満足度】=★★★☆☆
【お勧め度】=★★☆☆☆
⇒アレン・ファンにはプラス

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