2013年6月11日火曜日

「きっと、うまくいく」

劇場鑑賞の優先順位がしばらく後回しになっていたインド映画で、久々に思い切って「きっと、うまくいく」(ラジクマール・ヒラニ監督、2009)。現代インドの活況を投影したエンターテイメント大作として楽しく見ることができた。シビアなテーマも織り交ぜて、「自殺」って先進国病なのかな。競争社会を風刺し、ユモーアと友情を糧に暮らしの豊かさに理想を求める、アプリオリに楽天的なコメディ・コンセプトは、大衆娯楽映画のゴールド・スタンダード。わが国にも経済成長の過程にこのような時勢があった、インド映画同様、歌や踊りに満ちた幸せな映画がたくさんつくられた時代があったと、思い出させられる。最近はホラーやサイコ・スリラーで辟易していたた分、個の嗜好を意識しジャンル化が進んだ先進国の映画製作界での、娯楽映画の王道の影が薄くなったのかなぁと思ったり。
「きっと、うまくいく」、でも、170分は長いかな。大学卒業後、行方不明の主人公を探すロードに、大学時代のエイピソード多々がカットバックされるシナリオ構造だが、3バカ学生の退学危機譚の一部など、上手ではないストーリー・テリングもあるように感じた。而して、技巧優位でなく、ドラマ描出に活力があふれているのは楽しさの源。

「きっと、うまくいく」の評価メモ
【自己満足度】=★★★★☆
【お勧め度】=★★★★★

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