2013年9月15日日曜日

「許されざる者」×2

クリント・イーストウッド監督の西部劇(1992年)を、明治当初の北海道へと翻案したリメイク版ということで、封切り初日に鑑賞した「許されざる者」(李相日監督)。やっぱり冗長だったな。物語に入り込めなかった。道民である私にも、これが北海道ってロケーションは、よく見えたが。
クリント・イーストウッドが監督した映画は大概好みのテイストに仕上がっているが、このオリジナルに限っては、以前観た時も感度が低かったというのが正直なところ。今回ちょうどTV放映(相当の短縮編集版)があったの見比べてみると、プロットとセリフは丁寧に置き換えられていることが分かり、日本版の製作陣の意欲はうかがえた。
オリジナルには悪名を馳せた元ガンマンの復帰、腐れ縁の仲間との絆、賞金稼ぎ、鼻っ柱が強い若僧、パターナリズムの権化である強権的な街の仕切り屋―といった、西部劇に特徴的なシチュエーションは、ほとんどそろっている。取っつき難さの原因は、このガンマンの人間像への移入がスムーズではないこと、「娼婦に傷を負わせた仇」としての懸賞私刑遂行という、動機付けプロットが理解できないことにあると思う。これら点は日本版も共通する。後者の動機付けプロットの部分、文化的な深層があるのか、米国人はどうとらえているのか?、気になるところだ。

「許されざる者」(日本版)の評価メモ
【自己満足度】=★★☆☆☆
【お勧め度】=★★★☆☆

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