2012年2月18日土曜日

〈ソウル・オブ・マン〉

ヴィム・ヴェンダース監督「ソウル・オブ・マン」(2003年)は、3人のブルースマンに焦点を当てているが、映画タイトルに転用された表題曲を演奏するブラインド・ウィリー・ジョンソン(Blind Willie Johnson)を描いた映画手法は映画史に記憶されるべきもので、ブルースの歴史と音楽性を表現する相乗効果で成功している。
コーラスの黒人女性ひとりを伴った演奏と生活を映した「コマが足りない」感じのモノクロームのフィルムは、「よくぞこんな歴史的映像が残っていたものだ!」と、感心半分、不思議半分な心持ちを抱かせる。ヴェンダースによると1920年代前半に使われていた手回しカメラ(骨董品!)で撮影した再現ドラマなのだというから、繰り返し観て吟味したくなってしまう。
ヴェンダース担当の本作はブラインド・ウィリーとスキップ・ジェイムス(Skip James)、J・B・ルノアー(J. B. Lenoir)の古典曲を、ルシンダ・ウィリアムス(Lucinda Williams)、ベック(Beck)ら現代ミュージシャンたちが解釈するといったトリビュート企画が、もう一つの柱となっているだけに愛着も増す。
神にも増して、悪魔も歌うブルースマン。ゴスペルフィールドからアプローチしてきたのだが。

◆追記◆
ブラインド・ウィリー・ジョンソン(Blind Willie Johnson)関連で、、、
♪ダーク・ワズ・ザ・ナイト(2012/03/10)
♪マザーレス・チルドレン(2012/07/05)
ディラン、ファースト・アルバムの元歌対比集(2014/06/08)
ほかに、
T=ボーン・バーネットつながり(2014/07/08)

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