2011年12月7日水曜日

♪リング・オブ・ファイアー

CD『A Tribute To Johnny Cash』の「リング・オブ・ファイアー」は、ジューン・カーター・キャッシュ(June Carter Cash)のソロとして収録。ジューン自身が創作に携わったラブソングで、映画「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」では、リース・ウィザースプーン(Reese Witherspoon)の情感を込めたパフォーマンスが印象深かかった。ジューンはメイベル・カーター(Maybelle Carter)が産んだ3姉妹の次女だが、3女のアニタ・カーター(Anita Carter)のバージョンに、これも偶然にも遭遇、その歌唱に涙してしまった。アニタのソロの録音って手元になかったのだけど、その清廉な歌声によるアコースティクな演奏は讃美歌であるかのよう、敬虔さが漂う。カントリーのシングル盤を集めたCDの1曲で、アニタの発売は1962年とあった。アニタの歌唱、もっと聴きたい。

◆追記◆
ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)の評伝本『Johnny Cash : The Biography』(著作・Michael Streissguth氏)を読みながら(フォルサムからクレセント・シティにもどる、2014/08/07)、そうか、「リング・オブ・ファイアー」の録音・リリースはジョニー・キャッシュよりもアニタの方が早かったんだと、あらてめて。キャッシュ版はマリアッチ風のホーン・セッションとコラース入りアレンジが印象的で、アニタ版とは見事に対照をなしている。(2014/08/15)

2011年12月6日火曜日

♪アイ・スティル・ミス・サムワン

ジェームズ・マンゴールド監督の映画「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」( 2005)公開を機に本邦でも、ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)ゆかりのCD等ソフト類の流通が格段に増え、たぶん、その結果として、たまたま手にできたのが1999年録音で18のトラックからなるCD『A Tribute To Johnny Cash』。ボブ・ディラン(Bob Dylan)の「トレイン・オブ・ラブ」、クリス・クリストファーソン(Kris Kristofferson)とトリシャ・イヤーウッド(Trisha Yearwood)との「サンデー・モ-ニング・カミング・ダウン」などに伍して、意外にもウイリー・ネルソン(Willie Nelson)の「アイ・スティル・ミス・サムワン」に引きつけられてしまった。これまでウイリーには特段魅力を感じていなかったのに、しかもラブソングで、である。ジョニーのオリジナル、マルチナ・マクブライド(Martina McBride) with ドリー・パートン(Dolly Parton)バージョンも発掘して「旋律の美しいうた」を再確認してしまった。
ちなみに、ウイリーはシェリル・クロウ(Sheryl Crow)と「ジャクソン」の掛け合いも演じている。

2011年12月5日月曜日

ボブ・ディランとジョニー・キャッシュ

鈴木カツ氏の著作を拝読し、ボブ・ディランの1969年『ナシュビル・スカイライン』における、ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)との共演による「北国の少女」収録の経緯を概ね理解できた。ジョニーの自伝映画「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」( 2005)では、ディランとの親交が描かれつつも、「実はどんな関係だったの?」と、こもっていたのでしたが。映画の主題ではないかもしれないけど、ボブとジョニーともに、ルーツ・ミュージックへのこの上ない敬意にあふれている本質は共通と、各々のパフォーマンスから理解できる。しかし、不思議な絆であるとの印象はぬぐえないですなーぁ。

◆追記◆
□再び、ボブ・ディランとジョニー・キャッシュ(2013/07/14)
□ボブ・ディランの30周年記念コンサート、を拝見(2014/03/20)

2011年12月4日日曜日

マーダー・バラッドに秘められた謎

アメリカン・ルーツ・ミュージックの成り立ちを知る上で、今年お世話になったもうひとつの著作は東理夫氏の『アメリカは歌う。歌に秘められた、アメリカの謎』。①ジョン・ヘンリーと悲しみのナンバー・ナイン②アパラチア生まれのマーダー・バラッド③北行き列車に乗りたい―ニグロ・スピリチュアルに隠された暗号④ドアマットからの脱出―カントリーの中の女性たち―――の4章立てで、これまで音楽を聴きながらこもっていたモヤモヤのいくつかに実証的な解説を提示していただいた。「マーダー・バラッド」、1人称の殺人物語り歌などという、下層のジャンル・コンセプトが何故存在しているのか不思議に思わざるを得なかったのだから。既存の研究文献にとどまらず、合衆国当地で一次資料の探索を行った成果であることにも敬意を表したい。
パフォーマーとしてのキャリアが長い東氏。以前、TV番組でナッシュビルを訪問した東氏が、若き日にグランド・オール・オープリー(ライマン公会堂時代?)で「ウィル・ザ・サークル・ビー・アンブロークン」を歌い、ステージの袖で、何とその日が同じくオープリーデビューだったロレッタ・リンと励ましあったというエピソードを語っていたのを思い出す。この辺の話もあらためて聞いてみたいものです。

◆追記◆
□♪ジョン・ヘンリー(2014/11/03)

2011年12月3日土曜日

《ボブ・ディランのルーツ・ミュージック》

鈴木カツ氏の著書『ボブ・ディランのルーツ・ミュージック』を読み始める。ある時期から、ディランはクリエイターというより研究家+伝道師の役回りが色濃いのではと思っていた。自伝やマーティン・スコセッシの「ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム」(2005)も、けっこう最近の渉歴だったこともあり、私にとってはタイムリーな内容で、ページごと「そうそう、むべなるかな」と読み進んでいる。ディランのデビュー時の担当プロデューサーはジョン・ハモンド、かつて、ビリー・ホリディも手がけている。自伝の記述でも意外性があったが、ディランがロバート・ジョンソンを知ったのは、ジョン・ハモンドから復刻盤のデモをもらったからだという。
この1~2年くらいの嗜好はカントリー・ミュージックの比重が高く、鈴木氏のその他著作にも随分とお世話になっている。水先案内、あるいは、音楽を咀嚼して消化するときの評価指標として。日本での「カントリー・ミュージック」に対する認識は残念ながら極マイナー、和文の情報も至極限定されている。氏の幅広い見識、業績に感謝である。

◆追記◆
□♪マン・オブ・コンスタント・ソロウ(2013/07/25)
□♪コカイン・ブルースって、、、(2013/08/02)
□〈ブロークバック・マウンテン〉を聴いてみる(2013/10/06)
□ボブ・ディランのコンスタント・ソロウ(2014/02/28)
□♪1913年の大虐殺(2014/01/17)
□再び、♪北国の少女(2014/04/29)
□ディランの♪フェアウェル(2014/06/01)
□ディラン、ファースト・アルバムの元歌対比集(2014/06/08)
□「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」(2014/06/19)
□♪ジョン・ブラウン、って誰だ?(2014/06/27)
□♪ヒー・ワズ・ア・フレンド・オブ・マイン(2014/07/23)
□♪スペイン革のブーツ、ってバリアントも(2014/08/02)
□『時代は変る』のだが、、、(2014/08/28)

2011年12月2日金曜日

意外な、♪フロスティ・ザ・スノーマン

もう1枚、カントリークリスマスのVA盤を拝聴。『Ultimate Christmas Country』のタイトルで2007年の発売だが、ブレンダ・リー(Brenda Lee)、パティ・ペイジ(Patti Page)、コニー・フランシス(Connie Francis)のコアとはいえないカントリー系を含め18曲。アーネスト・タブ(Ernest Tubb)の「ブルー・クリスマス」をはじめ古くは1940~1950年代の録音もあるが、明朗でポップなパフォーマンスに共通性があると思う。リー・アン・ウォーマック(Lee Ann Womack)の「ホワット・アー・ユー・ドーイング・ニュー・イヤーズ・イヴ」は、「歌い込む」感じに引きつけられリピートして聴いてしまう。これが最も新しく2002年の録音。ロレッタ・リン(Loretta Lynn)は1966年の「フロスティ・ザ・スノーマン」、意表をつかれた選曲で親しみがわく陽気さに悦に入るとともに、「ロレッタのクリスマスアルバム」を探してみたくなる。

2011年12月1日木曜日

カントリーのクリスマス

スタンダード好きで、クリスマスといえばナット・キング・コール(Nat King Cole)の「ザ・クリスマス・ソング」を筆頭としたジャズ系の録音を聴いていたが、2003年発売だったか、いわゆるVA盤の『A VERY SPECIAL ACOUSTIC CHRISTMAS』というCDを何気に店頭でみつけ、カントリー畑のクリスマス・ソングに魅せられてしまった。私の嗜好であるアコースティク基調ということに加え、トラッド、スタンダードとオリジナルがほどよいバランスで、ウィリー・ネルソン(Willie Nelson)、アラン・ジャクソン(Alan Jackson)、アリソン・クラウス(Alison Krauss)、アール・スクラッグス(Earl Scruggs)、ロンダ・ヴィンセント(Rhonda Vincent)、ノラ・ジョーンズ(Norah Jones)ら参加ミュージシャンが新旧にもかかわらず、アルバムコンセプトの一貫性が心地よい。
アリソンやロンダはオリジナル、パティ・ラブレス(Patty Loveless)の「オー・カム・オール・フェイスフル」、リッキー・スカッグス(Ricky Skaggs)の「アウェイ・イン・メインジャー」など讃美歌でも、調和と敬虔さを醸すアコースティク力を感じる。ダン・ティミンスキー(Dan Tyminski)は「フロスティ・ザ・スノーマン」、楽しさも両立している。